第4話

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加州は私の後を追うが全く喋らない

案内された手入れ部屋に入るとそこには、既に準備がされていた
加州 清光
(最初から俺達が怪我をすると思ってたのかよ)
そう思った加州は苛立ち始めた

私はそんな加州に気づかず黙々と手入れをしていった

しかし、その手入れは優しく、丁寧に行われている

そっぽ向いていた加州が私の顔へと目を移した

私の顔は相変わらず無表情のままだったが、その目からは、悲しさや苦しさなどを感じた
加州 清光
(こんな奴どうでもいいのに)
そう思うものの、その目に惹き付けられ離れられないような感覚になる

あれだけ嫌っていたのに、そんな感覚になるのはおかしいと無理やり否定するようにして言葉を発した
加州 清光
アンタ、俺達のことなんてどうでもいいと思ってるだろ!
私はその言葉を対して反応もしずに、手入れを続ける

それを加州は勝手に肯定と受け取り
加州 清光
やっぱりそうかよ!
加州 清光
俺はアンタのこと、主ともなんとも思ってないからな!
ここまで言えば何かしら言い返すだろう、そう思っていたが何も返ってこない

手入れが終わる頃には怒りを通り越して呆れに変わっていた

そのまま加州は私にありがとうのひとつも無く、怒りを吐き出すだけで、手入れ部屋を出た
あなた

そんなことない

私は手入れ部屋で1人、小さな声で言った

もちろん、その声は加州に届いてはいない





加州は手入れをしてもらった後、心配をしているであろう薬研と鯰尾の元へ行った

2人は加州が戻っていたことに気づき近づく
鯰尾 藤四郎
加州さんもう大丈夫なんですか?
加州 清光
あぁ、大丈夫
心配かけたな
加州は安心させようと、ブンブン腕を回す
薬研 藤四郎
手入れしてもらったとはいえ無理するな
そう言われ、回すのを止めた
薬研 藤四郎
それより大将と何かあったか?
加州 清光
何かって?
鯰尾 藤四郎
加州さんの叫ぶ声が聞こえたから
加州の声は思った以上に大きかったらしい
加州 清光
俺たちのことどう思ってるか
聞いたんだよ
加州 清光
だけど何も言わないし反応しない
それで少しな…
そう言いながら薬研と鯰尾から目線を外し、頭をかく
薬研 藤四郎
相手は女の子だ
さすがにやり過ぎだと思うぜ
鯰尾 藤四郎
加州さんの気持ちも分からなくもない
きっと出陣で疲れたから苛立ってるんでしょ
2人の言う通りだ

加州も少しやりすぎたと反省をする
加州 清光
そうだな
お礼も言ってないし
鯰尾 藤四郎
お礼も言ってないの?!
薬研 藤四郎
後でちゃんと行けよ
しかし、さっきのこともあり少し気まずく思うところもある

1日経てば少しはマシになるだろうと思い先延ばしにした