第11話

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あなた

うっ…

私は重い瞼をゆっくり上げると心配そうにしている加州さんが目に入る
あなた

かしゅう…さん…

加州 清光
よ、よかった!
加州さんが私の手を取り安心したよう言った
加州 清光
うなされてたけど…主大丈夫?
あなた

はい…
加州さんの声で目が覚めました

私の声はとても弱々しく、ちゃんと伝わっているのか心配になるくらいだ

しかし、そんな心配もなく、私の声が届いたらしく加州さんが笑顔を向けてくれる
加州 清光
あっ!
2人にも伝えてくるから
主はじっとしてて
そう言ってドタドタと私の部屋を出ていく
あなた

(加州さん…さっき…″主″って)

私の聞き間違いじゃなければ、さっきそう言っていたはず

それに加州さんがあれほど心配してくれていたことにびっくりしている

私はゆっくり体を起こして辺りを確認する
あなた

(そう言えば…
部屋まで連れてきてくれたんだ)

ちゃんとお礼言わないと

これ以上迷惑をかけられない

すると複数の足音がこちらに向かってくる
薬研 藤四郎
大将大丈夫か?!
続いて鯰尾も来て私の顔を見てほっとする
鯰尾 藤四郎
無事でなによりです
あなた

なんで…

みんな
なんでみんなこんなに心配してくれるの…

私はみんなにあれだけ酷いことをしてるのに、自分勝手な私をどうして…
あなた

なんで…心配してくれるの…

その言葉に不思議そうな顔で私を見ている
加州 清光
だって、倒れてたら心配だってする
当然のように加州さんが言うが私には理解できない
あなた

私、皆さんにひどいことしたんですよ
距離を置いたり、突き放すような事言ったのにどうして…

加州 清光
でも、そのことに後悔してんだろ?
あなた

えっ…!
そんなことは…

加州 清光
こんな自分は嫌だって
変わりたいって思ってるんだろ
あなた

勝手なこと言わないでくだ…

加州 清光
いい加減素直になれよ!
私の言葉を遮って否定をしてくる

どうして加州さんは私の心の内を知っているのか不思議で仕方なかった

確かに泣いた姿を見られたけど、誰にもこの気持ちを伝えてない

知らないはずのことをどうして…
加州 清光
主の日記を見させてもらった
あなた

っ……?!

加州 清光
この本丸に来てからのことしか書いてないけど、それよりも前になんかあったんだろ?
加州 清光
話してくれよ
あなた

言えない…です

すると薬研さんが勢いよく立ち上がり近づく
薬研 藤四郎
黙って聞いてれば何が言えないだ!
薬研さんが怒鳴り始めたと思ったら、急に私の胸ぐらを掴みかかってきた
薬研 藤四郎
俺っち達がどれだけ心配してると思ってんだよ!
薬研 藤四郎
大将が話してくれるまで待つつもりだったけど、いつになっても話さねぇじゃんか!
鯰尾 藤四郎
薬研落ち着いて
慌てて鯰尾さんが間に入ろうとするけど薬研さんの怒りは止まらなかった

しかし、今にも殴り掛かりそうな勢いの薬研さんは私の顔を見て固まった

薬研さんだけではない、加州さん、鯰尾さんも一緒だ
あなた

グスッ……ズッ……

私は本丸に来て二度目の涙を流した