第16話

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目が覚めると自室で寝ていたことに気づいた

手に違和感を感じ、目を向けると…
あなた

加州さん…

加州が私の手をつなぎながら眠っていた

頭がコクリと下がりそうになりながらも無意識に支えている姿を見ると少し可愛く見える
あなた

ずっと傍に居てくれたのかな…

そう思いながらも先程見た夢を思い出していた

あれは小さい頃の私…

今と比べて何も知らず無邪気に笑いよく表情に出ていた

こんな私になってしまったのは全てあの出来事がきっかけで……

そう思い自然に手を強く握っていた、そのため…
加州 清光
……っ
加州が目を覚ましてしまった

固く閉じられていた瞼をゆっくり上げていた

暫くはまだ寝ぼけていたようでじっと私を見つめていたけど次第に状況を把握したらしく
加州 清光
主!
私が意識を取り戻したことに驚いて加州は声を上げる

その声は体調が万全ではない私にとってはかなりきつかったようで
あなた

うっ……

頭にひびき、思わず手で頭を押えた
加州 清光
わ、悪い主…急に大きな声出して
心配して私の頬に手を添えて顔を覗き込んでいる
あなた

(ち、近い…///)

普段から関わりを避けているのに、こんなに近いとどうしたらいいのか困ってしまう

異性で整った顔なら尚更だ

自分でも顔が熱くなるのが分かり、きっと赤くなっているのだと思い俯いてしまった
加州 清光
顔赤くなってるけど、熱あるのか?
私の体調を心配してくれているけど…熱ではないことをわかってもらいたい

『原因を作ったのは加州さんだから!』と心の中で叫んだ
あなた

だ、大丈夫です…///

加州 清光
そう?無理だけはするなよ
体調はどうだ、落ち着いたか?
私と距離を置き、次々と質問を投げかけてくる
あなた

大丈夫…だと思います

加州 清光
「思う」って…
口に手を当ててクスクスと笑う姿を見ると加州も変わったと改めて思う

ついこの間まで私に対して警戒心丸出しだったのに、今では私の前で笑うなんて…

加州に変化を与えたのはなんだろう、と呑気なことを考えていた
加州 清光
そう言うけどまだ全回復ではないだろ
聞きたいことは沢山あるがとりあえずは休め
加州 清光
また来るから大人しくしとけよ
そう言って加州は部屋を出ていった