第10話

10
アイツの日記はここで終わっていた
加州 清光
俺はほんとにバカだ
俺は勝手にアイツのことを嫌な奴と決めつけて傷つけることばかりやってきた

主は何かに苦しんでいるのに…これじゃぁ、俺はガキみたいだ

日記を机に置き、再び主のそばへ戻った
加州 清光
主…こんなにも主のことを傷つけてたなんて
今ではすっかりアイツ呼びから主と呼んでいる

俺は主に対しての印象が変わり、認めている
加州 清光
主じゃないとか言って悪かった…
手入れの後お礼を言わなかった…
すまない…傷直してくれてありがとな
目を覚ましていない主に言うのはおかしいと思っている

しかし、どうしても今言いたくなった
加州 清光
なぁ…早く目を覚ましてくれないか
2人も心配してる
しばらく主の様子を見ていると急にうなされ始めた
加州 清光
おっおい!大丈夫か?!
あなた

いっ…いや……やめてっ
たす、けて

突然の事でどうすればいいのかわからない

うなされながらも助けを求めている様子を見るとよっぽど苦しい夢を見ているのだも思う
加州 清光
大丈夫だ!俺が助けてやる!
俺はただ声をかけてやることしか出来ないことに悔しさを感じる



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あなた

あれ?ここは?

あたりは真っ暗で何も無い空間の中にいる

こんな場所に覚えはない

確か私は仕事を終わらせ、部屋を出て…

だけど、その後のことは思い出せない

すると後ろから突然声が掛かる
???
おいっ!
その声はとても大きく、私の体はビクッと反応する

ゆっくり振り返ると見覚えのある人が立っていた

私を審神者にさせた″佐藤さん″だ

しかし、私は少し見上げないと顔を見ることが出来ない

私より背は高いけどこれほど見上げないといけない差ではなかった

私の体をよく見ると手は小さく腕や足が短い

どうやら私は子供姿になってるみたいだ

すると上から怒鳴るように言葉が降ってくる
佐藤
お前は何をやっている!
なんで俺の言うことが聞けないんだ!
そう言って佐藤さんは私を殴った

頬がヒリヒリと痛み、頬の他にも体のあちこちが痛いことに気づく

よく見ると多くのアザがある

殴られた痛みに顔を歪ませる私にお構い無しに再び言葉を放ってくる
佐藤
何の為にお前を拾ったと思ってるんだ!
俺の言葉に従ってやればいいんだよ!
私はこの様子を覚えている

小さい頃よくされているから忘れようがない

私は耳を塞いで佐藤さんの言葉を聞こえないようにして、目を瞑る

耳を塞いでも佐藤さんの言葉が聞こえてくる
あなた

いっ…いや……やめてっ
たす、けて

そんなこと言っても無理だとはわかっているけど、言わずにはいられない
???
大丈夫だ!俺が助けてやる!
佐藤さんではない声が聞こえた

誰が私を助けてくれようとしている

すると真っ黒だった空間がだんだん明るくなっていく

私はこの声を人を知っている、忘れようがない
あなた

加州さん!

私の言葉であたりが一気に光に包まれ、私の意識はいつもの場所へ戻る