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第46話

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805
2021/07/27 15:20





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鏡宵 (なまえ)
鏡宵 あなた
ただいまぁ……
はぁ、疲れたねぇ……
ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
そうですね、お疲れ様です。
鍵を開けて、ガチャリと大きめな音が鳴った扉をゆっくりと開けながら、誰もいない空間に「ただいま」と挨拶をする。
どうにか話を広げようと「疲れたね」とジャミルくんに話しかけてみるが、ジャミルくんは薄らと微笑んで私の言葉を肯定するだけだった。
……やっぱり、私が泣いてしまった事が原因だろう。
でもあれは仕方がないと思う。突然人が消えたら、誰でも驚いて泣いてしまうものだろう。
その消えた人が、自分にとって"大事"な人だったら、尚更。
これは重症だな、なんて内心自分を鼻で笑いつつ、スニーカーを脱いで真っ暗なリビングに灯を点す。

パチッ、と音を立てて鳴った電気のスイッチが、リビングの天井の真ん中に付いている丸が明るい白に煌めく。
まるで、海の帰りに車から見たあの満月の様で、日常的に見るものなのに「綺麗だなぁ」と呟いてしまった。
瞬間、ジャーッと水の流れる音が響き、私の意識は現実へと戻される。
廊下を振り返れば、洗面所の電気が付いており、ジャミルくんが手を洗っているのだと気が付いた。
邪魔にならぬ様、私はキッチンの流しで手を洗う。
ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
あなたさん、先お風呂どうぞ。
鏡宵 (なまえ)
鏡宵 あなた
えっ!?いやいや、いいよ!
私よりジャミルくんが先に入って!?
ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
嫌です、あなたさんが入らないなら俺だって入らない。
鏡宵 (なまえ)
鏡宵 あなた
もう、そんな子供みたいな事言う!?
ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
だって、まだ子供ですから。
ひょっこりと洗面所から顔を覗かせ、ふふっと意地悪く、悪戯っ子のように笑ったジャミルくん。
ぺたぺたと素足で歩いてくる姿は、身長は高いのに何処か幼なげで。不安や心配や、色々な感情が入り混じった顔で、眉を下げて優しげに笑っていた。
そんな顔が辛くて、私が「ごめんね」と謝罪を述べようと口を開いて顔を上げた時、ジャミルくんの両手が、私の頬を包み込んだ。
水の温度でひんやりとした手なのに、何処か熱くて。
ふわりと香るハンドソープのジャスミンの香りに、ボッと顔に熱が集まるのを感じた。
彼の整った表情が目の前にあって、チャコールグレーの瞳が此方をジッと見据えてくる。

鋭いのに柔らかい瞳に、何もかもを話してしまいそうだ。
カリムくんが鏡からやって来た事、ジャミルくんが一瞬消えてしまった事。
帰って欲しくないって、貴方に依存し過ぎているって、伝えてしまいそうになる。
言っちゃダメな感情と、言ってしまいたい感情が入り混じって、また涙が出て来そうだ。
でも、今泣いたらジャミルくんを困らせてしまう。それだけは絶対的に避けたかった私は、スンと一回だけ鼻を啜ってから、パチパチと瞬きをして涙をなんとか食い止めた。






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