無料スマホ夢小説ならプリ小説 byGMO

第53話

🕊🔔
470
2022/01/22 14:24





.
鏡宵 (なまえ)
鏡宵 あなた
ぅ、ん……?
朦朧とする意識が段々と現実に戻っていって、重たい瞼がゆったりと開いていく。
霞掛かった景色に、ソファに座るジャミルくんの姿が見えて、一気に景色が色付いた気がした。私が目覚めたのに気付いたのか、彼は持っていた本を閉じ、キッチンへと足を運ぶ。
テキパキとした動きで何かを作り、のろまな動きで起き上がる私の元へ、何かを届けてくれた。

「おはようございます、あなたさん」

優しい微笑みと声色で話し掛ける彼の姿。
手に持たせてくれたホットミルクが暖かくて、ほぅと小さな息を吐く。
暖めたタオルを泣き腫れた目元に当てようと私の肩に手を添えたジャミルくん。
私はそっと目を瞑り、暖かいタオルの心地良さに浸っていた。
ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
目元、痛く無いですか?
鏡宵 (なまえ)
鏡宵 あなた
ん、大丈夫。ありがとう、ジャミルくん。
………ごめんね、なんか、みっともない姿見せちゃって。
鏡宵 (なまえ)
鏡宵 あなた
自分でも気持ち悪かったなって、思う。
ほんと、ごめん。
中々身体に力が入らず、まるで産まれたての赤子の如く重力に伴い頭が徐々に下がっていく。ベットサイドのテーブルにホットミルクを置き、ベットにペタリと額を付け、丁度よく土下座の様な形になった。
26歳の大人が17歳の子供目の前にして泣きじゃくり、その上「帰ってほしくない」発言だ。これはどう考えても有罪である。

数秒の間が空いたのち、彼はまだ優しげな声で「顔を上げてください」と肩を揺らす。
そっと顔を上げれば、目の前にあるのはやはり優しく此方を見つめるジャミルくんの顔だ。
彼は何も話す事なく、そっと私の頭を撫でてからキッチンへと向かった。
「今日の夜ご飯は何が良いですか?」

なんて。
「気にしないで」「大丈夫です」なんて、わざとらしい言葉ではなく、まるで何事も無かったかの様に問いかけてくる彼の声に、私は安堵すると同時に不安も覚えた。
「帰ってしまうかも」とかそんなんじゃなくて「こんな簡単に許してしまって良いのだろうか」という不安。

だって17歳の未成年に依存しそうなおばさんって……ねぇ?
どんな奇行を犯すか分からんのだよ?いや理性を総動員して奇行は止めてやるが、ジャミルくんからしたらどんな事するか分からないのに。
鏡宵 (なまえ)
鏡宵 あなた
………ジャミルくん、警戒心忘れずにね……
ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
あなたさんだから気を許してるんですよ。
ボソッと呟けば、冷蔵庫の中を確認しながら即答。
そっかぁ、私だから気を許してるのかぁ………

よくよく考えた後、ぼっと頬が熱くなるのを感じた。
ジャミルくんを見れば、悪戯の成功した子供の様に楽しげに笑う整った顔。
なんだか、最近揶揄う立場が逆転している気がしてきたな……







next🌟