……今ごろあの女の子、チョコ渡してるのかな。貰った相手は喜んでるだろうな。
空が青色に変わりつつある。
失恋?
いや……告白もしてないくせに……我ながら女々しいよなぁ。
しばらく見つめたのち、大きく背伸びした。
「ま、夢を見れただけでも……良しとするか。また新たな出会いに期待しよ」
空に向かって呟いた。
ーーこれでいいんだ。青春なんてそんなもんだろ。
数分後、店の前まで辿り着いた。
そこで、父親がニヤニヤしながら手招きしているのに気づく。
なんだ?
すると親父の後ろから現れた。
は……なんで?
そこにいたのは、昼間チョコを買いに来たあの女の子だった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。