「ほな、受け止めてや雄作くんっ!」
「あ、あっ…」
どれくらい経ったのだろう。僕は三人に──いや、蒼介以外の二人の精液で体内を満たしていた。
「あれ雄作、まだ勃ってんのか?」
「そんな、わけ…ない…んぁっ!!」
何度目かわからない挿入。最初は狭かったナカも、今では二人分入りそうだ。
「いやっ、あっ、やんっ」
「女みたいな声出すなよ。まぁ、それもエロいけど、さっ!」
「あぁぁ!」
蒼介はさっきからソファーに座って足を組み、ハメられてヨガってる僕を見て笑っていた。
「もっ、と…もっと、ちょうだ──ひゃあっ!」
「そうだ、佐久。お前も挿れろよ」
「お、ええなそれ。雄作くんもええやろ?」
「え…に、二本も、入らな──あぁぁっ!」
熱を持った熱い棒が二本、僕の奥を突いた。
「だ、だめぇ、っ!ぼく、こわれちゃうぅぅ!」
「ほら、蒼介も見てるぜ?」
「もっとイッてええよ?ほらほらっ!」
突かれる度、擦れる度、僕は声にならない叫びを上げた。
男四人のカラオケボックスで、僕はどれほど絶頂を味わったのだろう。
「ほら雄作、カメラに向かってピースして?」
「せっかくやから、動画にして声出してもらおか」
「おら、雄作よぉ。さっき俺の言ったセリフ覚えてるか?」
「大好きな俺が言ったんだ。忘れたわけないだろ?」
ベトベトな体は支えられ、ナカからは挿入されてるにも関わらず液が漏れだしている。
目の前にマイクとカメラが置かれ、僕は蒼介の言ったセリフを口にした。
『ぼ、僕は、ハメられ好き、の…ひゃっ!…クソ、ビッチで、すぅ』
「ええこええこ。ほな、イカせたるわ」
僕の声はマイクに拾われてしまい、部屋中に──脳内にまで、恥ずかしい声が響いた。
その後の生活は困難だった。
先日のことは自然と学校中に広まり、廊下を歩く度に嫌な視線が向けられた。唯一の友人だって蒼介も、その後は別のやつらと一緒に僕を嘲笑っていた。
嫌だった、辛かった。…なのに、僕はあの感覚を忘れられずにいた。
男子の中にはもちろんゲイはいて、僕は度々呼ばれては犯された。
初めは体育館倉庫。二年生になった時には、保健室とかも。バスケ部員には、部活動サボって部室でヤられた。
部活を辞めた後は、しばらく何も無かった。でも、帰り道に襲われて路地裏でアオカンプレイ。
こんな場では話しきれないほど、僕の高校生活は汚れてしまった。
…なのに、体はずっと疼いてた。
「母さん。僕、東京の大学行きたい」
「いきなりとうしたの?何かあった?」
「……ごめん。でも、勉強は頑張るよ」
「雄作がどうしてもって言うなら、仕方が無いけど…」
「ありがとう、母さん。…ごめん」
誰もいない所へ。誰も僕を知らない場所へ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。