マスクしてベッドに寝転んでる花巻。
こりゃだいぶしんどそう。
花巻はしばらくすると黙り込んだ。
相当きてんな。
あなたはプリントを色々まとめたり、、
まぁ……あなただし、大丈夫か。
今日のあなた、いつもより冷静だなぁ。
まぁ普段がこれなんだけどね。
照れあなたを見すぎてしまったか。
あ、これ聞いてない
─── スリ…
花巻のデコに手を当てる。
俺も熱出たらそうしてくれんのかな。
俺にだけ…。
俺が変わって、あなたは先にプリントの方をやらせた。
…余裕か。
そりゃ余裕だけどね。
だって実際、あなたは俺にしか照れないし。
それが何よりもの証拠だし。俺しか好きじゃないって。
……今は、いっか。
~あなたside~
え~、と、あった。
プリントを順番に出来たし、あとはクリップ待ち。
私はベッドの横に行って花巻の様子を見る。
ならまだ大丈夫か。
冷えピタも変えたし、飲み物も飲んでるっぽいし、
あとは…うん。すること終わったしスマホ見てよ。
そう思って、ベッドにもたれてスマホを見る。
ぁ…ここ行きたいな。美味しそう。
コイツの風邪治ったら3人で行こっと。
吐きそうなのかと思ったじゃん。
まぁ違うなら良かったけど
松川が戻ってきたら帰る。
クリップ待ちだし。
え、こいつ好きな人いるのね
え????????????
思わず後ろを振り返った。
花巻は…すごくしんどそうに答えた。
彼は、しんどいはずの体を無理に起こして、
私の目を見て、そう、伝えてきた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!