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第14話

ショムちゃんと緊急会議
 次の日。

 テスト期間にも関わらず、生徒会では緊急の会議が行われた。
橘
既に噂で聞いている者もいると思うが――
橘
昨日、キプリウスに所属する一年の男子生徒が、頃月ごろつき高校の不良四名に襲撃された
 またキプリウスか、とざわめく室内で、私はわずかな居心地の悪さを覚えて俯く。
実里
実里
生徒の怪我は大丈夫なんですか?
橘
ああ。登校に支障はないらしい
橘
それで、今日お前達に伝えておきたいのは――
橘
キプリウスのボス、宇田川世那に関する処遇だ
 その名前に反応するように、私は顔を上げる。

 上質な筆で描いたように綺麗に伸びた眉を寄せ、橘先輩は続けた。
橘
宇田川に、一ヵ月の停学処分が下された
蘭子
蘭子
え?
蘭子
蘭子
(今……なんて?)
 突然奈落の底へ突き落とされるような感覚に、眩暈がする。
橘
宇田川の話によると、くだんの生徒に単身で果たし合いを片付けて来るよう指示したそうだ
蘭子
蘭子
違います!!
 椅子を蹴って立ち上がった私に、一同が驚いて振り返る。
蘭子
蘭子
その生徒は……宇田川先輩を守るために一人で乗り込んだんです!
蘭子
蘭子
宇田川先輩は指示なんてしてません。あくまでその生徒は自分の意志で――
橘
井瀬
 遮られた冷たく低い声に、私は思わずびくりと肩を震わせる。
橘
お前が宇田川を庇う理由がどこにある
蘭子
蘭子
 真正面から私を見据える生徒会長の視線は氷のように冷ややかで――

 私の発言を許す余地は元より与えられていないことを悟る。
橘
普段から言って聞かせているだろう。生徒会の一員である自覚があるなら、お前は俺の指示だけを聞いていれば良いと
蘭子
蘭子
……
橘
返事は
蘭子
蘭子
……はい。すみませんでした
 私が腰を下ろすのを見届けてから、橘先輩は再び口を開いた。
橘
とにかく、お前達も不要な争いに巻き込まれないよう気を付けるように
橘
会議は以上だ



 *   *   *



実里
実里
蘭ちゃん、大丈夫?

 会議の後。

 一同が解散した室内でぽつんと座る私に、実里が声をかけた。

蘭子
蘭子
うん……会議、中断させてごめん
実里
実里
気にしないで。生徒会長も蘭ちゃんのことが心配なんだよ。やっぱり、何かトラブルに巻き込まれちゃってからじゃ遅いし
 実里の言うことは何も間違っていない。

 私だって、今までの自分だったら生徒会長に歯向かうことなんてしなかったはずだ。
蘭子
蘭子
(……でも)
 自分は『キプリウスのボス』と出会ってしまった。

 その事実が、それだけの事実が、生徒会の一員として正しい判断を鈍らせてしまうことがひどくもどかしい。
実里
実里
……宇田川先輩のことが心配?
蘭子
蘭子
え?
 顔を上げれば、実里の困ったような顔。
実里
実里
本当は、こんなこと教えたら生徒会長に破門にされちゃうけど……
実里
実里
二人だけの秘密にするって約束してくれたら、宇田川先輩について知ってること、一つだけ教えてあげる
 そう言って、実里はそっと私の耳元に顔を近付けた。