【あなたの下の名前said】
シルクにコクられた
待ち合わせ場所に行ったら
あなたの下の名前さんずっと前から好きでしたって
私の大好きなあの真剣な顔で
まっすぐに私を見つめて
ありきたりな言葉だけど嬉しかった
ロマンチックとかまったくなくて
いつもは敬語なんて使わないくせに
名前呼ぶ時さん付けなんてしないくせに
不器用だなぁ相変わらずって笑ったら
笑うなよって真っ赤っか
で…返事は?そっぽを向きながら聞いてくる
赤い顔を隠しているんだろうけどこっちから見える耳が真っ赤で
幼馴染みのいつもとちょっと違う顔
学生時代もいろんな女の子にコクられていた。よく友達から「また諒のやつコクられてたよ」って聞いていた
その話を聞いた帰り道は決まってシルクが私の教室まで迎えにきて
どうなったとか聞いてもないのに
「フッたわ」
って一言。
たぶんこれも諒なりの好きって表現だったんだよね
頑張って伝えてくれたのが嬉しくて
一瞬よぎったマサイさんの顔を振り切って
付き合うことに決めた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!