そうやって飛行機に乗るお父さんを空港で見送ったのが数日前。
新年早々会社を丸ごと任された私は学校と会社を往復する日々を過ごしていた。
朝早く学校に行き、風紀委員の仕事をし、授業が終われば部活をする。部活が終わると帰るのは家ではなくホテル inanagiグループの本社。この時点で時刻は午後7時半をまわっている。そこから夕食を食べ、自分の課題と翌日の予習をし、各部署の代表からその日の報告を受ける。その後は残された資料へのサインと諸々の作業。家に帰れることもあればそのまま会社に泊まることも少なくなかった。
おまけに_______________
誰一人今までのように「あなた様」とか「お嬢様」「ご令嬢」と呼んではくれなくなった。みんながみんな揃って「社長」と呼ぶのだから私へのプレッシャーが半端ない。でもそれも仕方ないか、今社長なのは私なんだし。気合い入れなさい、稲凪あなた!
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そんな日々がしばらく続けばもちろん私の体は睡眠不足を訴えてくる。その訴えは必ずと言っていいほど授業中に来る。私が寝落ちる度にカナヲ達はノートを見せてくれる。最近は部活が終わっても一緒に帰れないことが続いているのにそれでも私に寄り添ってくれる、優しい友達だ。
このくらいでへこたれていては社長は務まらない。今はまだお試し期間のようなものだ。本当に私が社長になった時の方がよほど大変なのは分かっている。だからこそ、私は頬を叩いてやる気を引き出す。
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社長代理生活にも慣れ、そろそろ終わりが見え始めた頃。学校が休みだったこの日は秘書の人を連れてとある会社へと来ていた。
最近お父さんが頭を悩ませていた会社だ。どうやら最近社長の代替わりをしたらしく、新しい社長と馬が合わない、と愚痴を漏らしていたのを思い出す。
いつもの慣れ親しんだ呼び方にふっと肩の荷が降りた気がした。
すごく嫌味な言い方だ。しかも「たかが16歳の小娘に何が出来る」と顔にハッキリと書いてある。これでも社長教育を受けてきたのだ。舐めないでいただきたい。
私が夜通しやり続けた作業の1つにここの会社との共同企画のためのプラン作りがあった。お父さんからは「なかなか難しい性格の人だから薄っぺらい内容ではうんとは言ってもらえない。どうかいい案を考えてくれ」と言われている。私の考えたプランが出来上がったのがほんの数日前。
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テレビ電話で海外にいるお父さんに連絡を取る。
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こうして社長のお墨付きをもらったプランが目の前に並んでいるのだ。
この社長の答え次第でうちの会社の未来の明るさが決まってくる。そんな大事な企画を任されたのだった。やれるかどうかではない、やるかどうかだ。お父さんが昔私に言ってくれた言葉を頭の中で反芻する。
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その時、私の携帯電話に着信があった。
部屋を出てスマホの画面を確認すると、天元さんからだった。
画面の奥でドサッと倒れる音がした。
ツー、ツー、ツー
天元さんの電話はたった一言で切れてしまった。しかし、天元さんの声からしてただ事ではない。天元さんの家に、行かなければ。
お願い、天元さん。何があったの?大丈夫なの?
どうか、無事でいて……。
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期末考査やっと終わったーーー!皆さん、ただいま!
小説進捗状況の方でも言ったのですが、この度、フォロワー様が200人を超えました!!ありがとうございます!200人達成記念の詳細は小説進捗状況の方に書いているのでご確認ください。絶対見逃さないでね!?僕頑張るからさ!
それとこの小説、閲覧数が100000超えました!!有り得ません!快挙です!びっくり!
それでそれで、僕、今年受験生なんですよ。二学期になるとスマホが使えなくなる可能性が大です。そこで当初の予定を変更し、このお話があと1週間程度で完結するように調整しました。このお話が完結した後、「🍳鬼滅の刃短編集🥖」のお話を最優先で進めて行きたいと思います。二学期が始まる八月半ばまでに書きたいやつ全部書きたい!今のシリーズを終わらせて、200人達成記念の小説を書き終えたい!そう願っております。
これからも僕のこと応援しておいてくださーい!お願いします!!
この第71話のお話もしておくと、途中で出てきた○○会社、ランクでいうとホテル inanagiグループの方が圧倒的に上です。それこそ本気を出せば会社を丸ごと買い取れるくらいに。あなたちゃんにはそんな会社の社長さんと交渉してもらいました!天才あなたちゃんのご登場でした。
そして天元さんに一体何が…!?次回まで暫し待たれよ!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。