第5話

決断
2,388
2020/08/03 13:38
桐川楓
桐川楓
9bicの新メンバーになりませんか?
あなた
………………………………………………は?
あまりに唐突な申し出にいつも冷静なはずのあなたは間抜けな声を出してしまった。
あなた
新…メン…バー……?
あなた
私が…?
桐川楓
桐川楓
はい。
山中里美
山中里美
……!!
まさか、私が?あの9bicの新メンバー!?
あなた
あ、あの。確認しますが…
桐川楓
桐川楓
はい。
あなた
9bicってメンズアイドルグループですよね?
桐川楓
桐川楓
ええ。
あなた
…私、一応女ですよ?
桐川楓
桐川楓
存じ上げております。
桐川は至って真面目にこの話をしているようだ
でもなぁ…とあなたが考え込んでいると
山中里美
山中里美
入っちゃいなよ!あなたちゃん!
あなた
里美!?
山中里美
山中里美
だってあなたちゃん、いつか9bicのカメラマンになりたいって言ってたよね!?
あなた
でもそれはカメラマンとしてで、新メンバーとしてだなんてそんな…
山中里美
山中里美
じゃあ嫌なの?
あなた
!!
嫌なわけがない。憧れのグループに入れることはこの先一生ないだろう
山中里美
山中里美
このまま入らずに、後々後悔するのはあなたちゃんやで!?後悔したまんま生きたい!?
山中里美
山中里美
入るか入らんかを決めんのはあなたちゃんや。でも、これだけは言わせて。後悔しんようにな?
あなた
里美…!
天然で自分のことしか考えてないと思っていた里美からそんな言葉が出てくるなんて、思ってもみなかった。が、その通りだ。後悔はしたくない!
あなたは覚悟を決めた
あなた
桐川さん。
桐川楓
桐川楓
はい。
あなた
そのお話、お受けさせて頂きます。
桐川楓
桐川楓
ホントですか!?
山中里美
山中里美
あなたちゃん…!
あなた
ただ…両親を説得しなければいけませんし、学校にも事情を説明しないと…
桐川楓
桐川楓
そのことについては、お任せ下さい。
あなた
え?
桐川楓
桐川楓
あなたさんのお父さん、七枝雄介、ですよね?
あなた
…!どうして、父の名を!?
桐川楓
桐川楓
実は私、雄介くんとは幼馴染なんです。彼の説得は私に任せて下さい!!
と、桐川は自信に溢れた瞳をあなたに向けながら言った。不思議とこの人になら任せられると思った。
あなた
……分かりました。では、お願いします。お手数おかけしてすみません。
桐川楓
桐川楓
いえいえ!誘ったのは私ですから!
山中里美
山中里美
あなたちゃん…!9bicのメンバーになるんやね……!
あなた
まだ、確定じゃないけどね。
山中里美
山中里美
え…?なんでなん?
あなた
ほら、プロデューサーの2人にも許可もらわないとでしょ?
桐川楓
桐川楓
あ、それなら心配いりませんよ!
桐川はそう言いながらあなた達の前に歩み出た。
桐川楓
桐川楓
実は今日、新メンバー勧誘の為に私とプロデューサーの2人で街を散策していたんです!
桐川楓
桐川楓
お2人が、「9bicにもやっぱり華がほしい。けどバリッバリのアイドルはアカンねん。……そや!かっこええ女の子やったらどうやろ!?」
桐川楓
桐川楓
っていう感じになって、善は急げでこうして探しに出てきたんです。そしたら…
あなた
私達に出会ったと。
桐川楓
桐川楓
はい!その通りです!
山中里美
山中里美
あなたちゃん!これはもう運命やよ!あなたちゃんは9bicに入る定めなんよ!!
里美は自分事のように喜んで、あなたの隣でぴょんぴょん飛び跳ねている。
確かに喜ばしいことだが、あなたには1つだけ引っかかることがあった。
あなた
あの、里美はどうなるんですか?
桐川楓
桐川楓
彼女は…
桐川が言い出したとき、里美がそれを遮るようにして声をあげた。
山中里美
山中里美
それなら心配せんといて!うちは今まで通り、9bicのファンのままがええんよ!
山中里美
山中里美
んでもってあなたちゃんの魅力をいっちばん最初に広めたるわ!
あなた
里美…
あなた
……ありがと!
山中里美
山中里美
ええよ!あなたちゃんにはいっぱい世話んなったし、これくらいせんとな!
あなた
おお、里美が成長してる…!
山中里美
山中里美
え、ええ!?うちってそんな子供っぽかった!?
あなた
あれ、違ったっけ?
山中里美
山中里美
んもう、あなたちゃん!あはは!
桐川楓
桐川楓
ふふっ
仲がいいんですね、お2人とも。
あなた
ええ、まあ腐れ縁ってやつですよ。
山中里美
山中里美
なっ!?あなたちゃんひど〜い!
あなた
はは、冗談だよ、冗談。
3人はそこでしばらく笑いあっていた。すると、桐川のスマホに誰かから電話がかかってきた。
桐川楓
桐川楓
あっ、すみません。
はいもしもし?
やっぴ
もしもし?そっちどう?こっちは全然いい子が見つからへんのよね〜
桐川楓
桐川楓
ふっふっふ〜
やっぴ
え、何その笑い方。もしかして見つかったん!?
桐川楓
桐川楓
ええ、まあ?
やっぴ
ちょ、どんな子なん!?名前は!?
桐川楓
桐川楓
とりあえず、落ち着いて下さい。今から9bicハウスに連れていきますから、そこで紹介します。
やっぴ
おけおけ、分かった。ほな、メンバーには自分から連絡しとくわ。
桐川楓
桐川楓
ええ、お願いします。では、また後で。((ピッ
山中里美
山中里美
今の人って、もしかして…?
桐川楓
桐川楓
ええ、プロデューサーの1人、やっぴさんです。
山中里美
山中里美
はわわわわ!やっぴだって!あっ、呼び捨てごめんなさい…!
あなた
ははっ、とりあえず、里美も落ち着こうか。
桐川楓
桐川楓
では早速9bicハウスに来ていただこうと思うのですが、1つだけ約束して下さい。
桐川楓
桐川楓
9bicハウスの場所は他言無用です。
あなた
ええ、分かっています。
山中里美
山中里美
もちろんです!
桐川楓
桐川楓
まあ、そうだろうとは思っていました。安心です。では行きましょうか。
あなた
はい…!((ゴクリ
山中里美
山中里美
はーい!(ヤッバ!ライブ前にメンバーに会えるやん!)
珍しく緊張しているあなたと浮かれている里美を連れて、桐川は歩き出した…






続く







皆様!今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます!実は1つ不安なことがありまして…






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