そうそう忘れてたけどヒロインへの手紙書く人がいないから御相手様で
…あ、みけさんの御相手の呼び方・呼ばれ方が無いことに今気が付いた。教えて。一応入れてるけど教えてくれれば直す。
ひそひそと聞こえてくる声に、私は心の中でため息を吐いた。
皆さん、噂話が大好きなようで…。
私は、3年前から婚約していた幼馴染みと婚約を破棄した。
私には婚約者なんて邪魔でしかないかったからだ。
なのに、私が破棄されただの、飽きられただの、捨てられただの…ま、いいんだけど。
……この子、ほんと細かい変化に気づくわよね…。
そう言って微笑めば彼女は少し寂しそうな表情を浮かべた。
そんなことを話している間に私は大広間の前までたどり着いていた。
公爵令嬢がエスコートなしで入場するなんて、前代未聞よね。
まぁ、別にいいでしょう?
私はもうすぐ公爵令嬢じゃなくなるのだから。
扉が、ゆっくりと開かれる。
中でざわめきが起こる。
私は表情を崩さずに入場した。
そう言ってカーテシーをして、頭をあげた。
私は思わず一瞬顔をしかめた。
あなたまで…。
そう言って笑みを浮かべる王女様に、お気遣いありがとうございます、と頭を下げる。
私は一度王女様に頭を下げ、姿を消すのを見送った。
ふと周りに目を配る。
そう言って彼女は私に頭を下げてその場から離れた。
私は先程目に入った人物たちを探す。
ちょうど、外に出ようとしているところだった。
私はその人たちの後を追おうとそちらを向いた。
その次の瞬間、後ろから声をかけられた。
振り向いてそう微笑めば、彼は一瞬表情を歪めた。
……あの人達を頬っておいていいのかは分からないけど、ここで断るのは……。
しかたなく、私は彼女に微笑んだ。
そう頭を下げてネル様に向き直る。
その会話を聞いて私は確証した。
なるほど、お嬢様はこの人達を見つけてあの反応だったのか。
僕はわざと音を立てて3人に近づいた。
コツコツと鳴る音に、3人がこちらを見た。
先ほどと打って変わって警戒心丸出しになっていたり、無表情でただこちらを見ていたり、マイペースに服をカバンから取り出していたりと反応は三者三様だった。
自由過ぎる。
そう彼はもう一人の男性に視線を移した。
彼はめんどくさそうに頭をかいて、僕を見た。
いつの間にか3人は着替えており、廊下の窓は開いていた。
バサバサと揺れるカーテンに、思わずつぶやいた。
3人は窓から飛び降りた。
私が慌てて窓に近寄り下を見ると、3人はすでに着地しており外の方へかけて行っていた。
なるほど、お嬢様関係でだれか口を滑らしたか。
僕たちは薄暗い廊下の隅で、首をひねりあった。
一方その頃、その噂の”お嬢様”は、
質問攻めにされて少し引いておりましたとさ。
恐る恐るといったふうに聞くチィに、フィリアは少し眉を寄せ、呟いた。
フィリアは礼をして、その場を去った。
ネルは、確かにそれは面倒、と呟いた。
話聞きたかったのに。
ついついいつもの癖で愛称で呼びそうになる。
フィーちゃんって呼びかけた、危ない。
はい、お待たせしました。
一章は異世界組しか出ません。
Prologueも天界組しか出なかったし、分かってた人もいる…と、思う。
次は時間が少し巻き戻って現代組。
時間軸おかしいね。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。