第29話

体育祭6
554
2019/06/20 13:29
廉side
永瀬廉
永瀬廉
ちっ……。



一花どこいった?


平野紫耀
平野紫耀
廉、見つかったか?
永瀬廉
永瀬廉
おらん
平野紫耀
平野紫耀
まじで九条どこいったんやろ?



ことは数分前


お昼の放送が流れて
紫耀と昼飯を持ちながら
一花の所に向かうと



松尾 胡桃
松尾 胡桃
永瀬!!
永瀬廉
永瀬廉
は?なんやねん!急に
松尾 胡桃
松尾 胡桃
一花がおらんくなった……
永瀬廉
永瀬廉
は?
平野紫耀
平野紫耀
九条がおらんってどうゆーこと?
松尾 胡桃
松尾 胡桃
さっきまではそこにおったんよ……。

私が目を離した瞬間
ほんの数秒におらんくなってん……
永瀬廉
永瀬廉
その辺に居るんちゃうんか?
松尾 胡桃
松尾 胡桃
探したけどおらんねん……
永瀬廉
永瀬廉
ちっ。


俺は、手に持ってた袋を
紫耀に押し付けて走り出した


永瀬廉
永瀬廉
どこにおんねん!!



その頃


女子B
女子B
なんで呼ばれた分かっとる?
九条 一花
九条 一花
え……えっと……
女子A
女子A
廉くんのことに決まっとるやろ
女子B
女子B
なんであんたはよ別れへんの?

永瀬くんにちょっと
構ってもらったからって
調子乗ってんなよ!!
九条 一花
九条 一花
キャッ……



ドンッと押されて尻もちをつく


女子A
女子A
ええか?
廉くんはあんたのもんやない。

私らみんなのもんや。

うっとしいねん。
廉くんの周りチョロチョロと



そう言って、彼女はポケットから
光るもの取り出した


女子A
女子A
これ、なんだかわかるやんな?笑
女子B
女子B
あんたらおさまえとき



その瞬間脇から男子が2人でてくる



男B
男B
ごめんなー。
こんなことはしたないねんけどさー笑


ニターっと笑いこちらに
一歩一歩近づいてくる


九条 一花
九条 一花
や……やめて……こ、こないで……
女子A
女子A
騒いでも無駄。

ここは、人通りが少ない
あげく今はみんなお昼の時間
誰も来やしないよ笑



女の子は1歩前に出てきて

私の頬にカッターを当てる


女子A
女子A
あんたのその顔めっちゃ嫌い。
ズタボロにしたいぐらいに。
九条 一花
九条 一花
っ……


カッターの先で頬をスっと切られる



女子B
女子B
まだちょっとやで?笑
女子A
女子A
あんたがおるから廉くんはいつまでも
私らを相手してくれへんねん!!


バチーンっという音と共に

私の頬は赤く腫れる


女子B
女子B
あの人がゆーてたで?
永瀬くんはあんたなんか遊びやって笑
女子A
女子A
遊ばれてんのはあんたの方や
九条さん笑
九条 一花
九条 一花
わ……私は……
永瀬廉
永瀬廉
一花!!!!



私が声を出せずにいると



聞きなれた声がした


九条 一花
九条 一花
れ……廉くん……
女子A
女子A
キャッ!!



ドンッという音と共に私の引っぱたいた
女の子は倒れる


女子B
女子B
な、永瀬くん!
男3
男3
やっべ!!逃げろ!
永瀬廉
永瀬廉
おい、待てや。
永瀬廉
永瀬廉
お前ら何したか分かっとるんやろうな?
女子B
女子B
っ……
女子A
女子A
…………
永瀬廉
永瀬廉
後で覚えとけよ。
二度と俺と一花に近づくな!!



廉くんは、私を立たせると
お姫様抱っこをした

九条 一花
九条 一花
え?廉くん歩けるから……
永瀬廉
永瀬廉
ええから。大人しくしとき。


私はなにも言えずただ
廉くんに運ばれる。


永瀬廉
永瀬廉
一花、下ろすぞ?
九条 一花
九条 一花
うん。


着いた場所は保健室


永瀬廉
永瀬廉
ごめん……。
俺がもっとちゃんと見張ってれば……



廉くんは私の頬にそっと手を添え
優しく撫でる

九条 一花
九条 一花
廉くんのせいじゃないから……。
永瀬廉
永瀬廉
んいや。俺のせいや。
永瀬廉
永瀬廉
ちょっと痛むやろうけど、我慢してな?


救急箱から消毒液を取り出して
頬にそっと当てる


九条 一花
九条 一花
っ……
永瀬廉
永瀬廉
悪ぃ。痛いか?
九条 一花
九条 一花
大丈夫……
永瀬廉
永瀬廉
痛いなら痛いって言え。やないと分からへん。
九条 一花
九条 一花
……ち。ちょっと痛い……
永瀬廉
永瀬廉
ん、おし、あとは絆創膏貼るだけ。
九条 一花
九条 一花
廉くん……
永瀬廉
永瀬廉
ん?
九条 一花
九条 一花
ありがとう
永瀬廉
永瀬廉
別に


素っ気ない返事やけど

やっぱり優しいのは変わってへんやん。。


九条 一花
九条 一花
でも……どうして分かったん……?
永瀬廉
永瀬廉
松尾。
松尾が一花がおらんって
おらんくなったって。

あいつすげー責任感じてた。
九条 一花
九条 一花
胡桃ちゃん……
永瀬廉
永瀬廉
ほら、行くぞ。
松尾が待ってる。
九条 一花
九条 一花
うん。


私が椅子からタチがると

廉くんの手がスっと差し出された。




今度は言われなくってもわかる


繋ぐってことやろ?




そう思って私は、廉くんの手を
握りしめた。


そうすると、廉くんはそっぽを向きながらも
手をぎゅっと握り返してくれた。


松尾 胡桃
松尾 胡桃
一花!!
九条 一花
九条 一花
胡桃ちゃん!
松尾 胡桃
松尾 胡桃
よかっだぁーーーー(´;ω;`)


みんなの元へ帰ると同時に

繋いでた手はパッと離れた。


九条 一花
九条 一花
ごめんね?心配かけて
松尾 胡桃
松尾 胡桃
うんうん、私こそごめんな?
目を離さんかったらよかったわ……
井上瑞稀
井上瑞稀
一花!お前顔!
九条 一花
九条 一花
あぁ。これ?ちょっとコケちゃって
藤井流星
藤井流星
んなわけないやろ。
そんな所転けて怪我する場所ちゃう
藤井流星
藤井流星
永瀬。お前の周りにいる女達やろ
永瀬廉
永瀬廉
っ……
九条 一花
九条 一花
藤井先輩……。廉くんをせめないで上げてください。
藤井流星
藤井流星
でも……
九条 一花
九条 一花
私が、危ない時に廉くんは助けてくれました。
私はそれだけで大丈夫なので。
だから……
藤井流星
藤井流星
っ……わかった。
道枝駿佑
道枝駿佑
永瀬先輩、俺言いましたよね?
一花先輩悲しませたらって
松尾 胡桃
松尾 胡桃
でも、今回は永瀬が動かんかったら
一花はもっと酷い目に合ってたかもしれん。


永瀬ありがとう。
九条 一花
九条 一花
胡桃ちゃん……
永瀬廉
永瀬廉
松尾、紫耀は?
松尾 胡桃
松尾 胡桃
え?平野なら俺も探しに行くって
永瀬の後追っかけて行ったけど……
会ってへんの?
永瀬廉
永瀬廉
あぁ。
松尾 胡桃
松尾 胡桃
一花も?
九条 一花
九条 一花
うん。
私は廉くんが来るまではずっと
体育館裏におったし
廉くんが来てからはずっと
廉くんと一緒におったよ?
永瀬廉
永瀬廉
ふーんなるほどな。


そーゆー事か。
いつも肝心な場面で姿を消す。

一花。悪ぃ。もう少しやけ待ってろ。
あと少しで解決する。


そう言い残して、廉くんは去っていった。



松尾 胡桃
松尾 胡桃
?え?なに?解決するって?どーゆーこと?

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