私は所謂、配信者という者だ。
リスナーと雑談をしたりゲーム実況をしたりして、
活動している。
まぁ、少し名が知れている有名人…もどきだ。
それが、私の裏の顔。
なら、表の顔は?
……それは___。
雄英高校、というものをご存知だろうか。
私はそこの___普通科の、生徒だ。
ヒーロー科志望だったのだが、
……まぁ、普通に、落ちた。
ヒーローになりたい訳じゃなかったし、雄英には入れたので別に良いのだが。
……私が雄英に入ろうと思った理由は、「彼」が関係している。
中学のとき、とある同級生を好きになった。
そいつがこの学校に居るのだ。
だから後を追うようにして、この学校に入ったのだが。
……まぁ向こうからすれば、私のことなど認知もしてないだろうし、ヒーロー科は想像を絶する程に大変だろうから、当然といえば当然だ。
けど、ずーっと姿を見れないというのは、なんというか……あれだ、なんか……
ストレスが溜まる。
___ドンッ!
と、独り言を呟きながら廊下を歩いていると、
誰かにぶつかった。
漫画とかでよくあるのが、ここでその「彼」にぶつかるという展開だが、
まぁそんな事起こるはずもなく___
……あー、こういう事も起こりうるらしい。
そう、私の初恋はこいつだ。
爆豪勝己。個性、爆破。
自尊心が強く協調性皆無で、頭はクソ良いがまぁ問題児。
どう接したらいいんだ、どうすりゃこいつにとって私という存在が好印象になる???
あぁなんか頭回らない……
はい、やらかした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。