第30話
九日目;巧翔
葉桜の奴....!言いやがった。
余計なこと言うな馬鹿っ!!
俺が大声を出すと葉桜はこっちを向いた。
そう言うと葉桜はエルの声が聞こえる方に向き直った。
葉桜は俺の方を向いてそう言った。
おい、ふざけんなよ...そんなの許すわけ...
でもこれじゃ俺の計画実行することは出来ない。
どうすればいいんだよ。
芹澤が珍しく誰が見ても分かるくらい怒っている。
そりゃあ、そうなるよな。幼馴染みが自分の事売ろうとしてんだもんな。
芹澤の大声に驚き、全員肩を震わせた。
いや、それはそれで嫌だけど。
俺は素直にそう思った。
芹澤からしたらそりゃそうだろう。でも、葉桜からしたらその逆だ。
どっちも嫌だよ。
誰か1人がいなくなるくらいなら、俺は全員でそれぞれの代償を渡す邦画マシだ。
エルの計画に乗った方がまだマシ。
エルがそう言うと芹澤がすかさず言った。
エルの言葉を遮って、葉桜が言った。
どっちも譲る気はない。
また、言い合いが始まりそうになる。
もう、エルの当初の作戦で良いだろ。
俺がそう言うと、何人かが乗ってきた。
姫川と菊地は迷っているらしい。
確かにあいつらの...と言うか姫川の代償、姫川莉愛夏っていう存在がいなくなるって事なんだよな。
そりゃ判断しかねるよな...
また言い合いが始まり騒がしくなってきたとき、エルが呆れたように口を挟んできた。
そう言うと、皆黙った。
あいつがなんて答えるか...やっぱり最初の計画通りか...?
そう思っていたのに帰ってきたのは意外な言葉だった。