第25話
七日目;晴斗or巧翔
●晴斗
一時、なくしかけた感情が
俺はなんとなく、もう戻ってきている気がした。
気のせいかも知れないけど。
さっき、真珠と話してたとき、自分でそんな気がしていた。
●巧翔
あれ?芹澤なんか感じ良くなった?
前は全部無言で返された気が、
.......まさかね。
あ、聞こえないだろって思った?
俺だってある程度は聞き取れんだよ。
ほらおかしい!絶対におかしい!
こんなこと自分から言わなかったぞこいつ!
こいつ、まさか本当に...!
一旦、心読んで確かめ....
あー駄目だ!駄目だ!!
能力はもう使わないって決めたんだから!
本人に聞くか?
いや、聞いたところで教えてくれるか?
本人の自覚がないかもしれないし。
あーもう!どうしたらいいんだよ!
.........本人に聞くか。
・・・。
いや、答えろよ!
はぁ、やっぱ戻ってないか。
そりゃ、こんな簡単に戻ってたら変...と言うか、楽勝過ぎだよな。
戻ってるなこいつ。
でも、戻ったかどうかは分からない。
それは教えてくれないってことか。
俺の場合は声が聞こえるようになるだろうから分かると思うけど。
・・・・・・・。
ま、そうなるか。
いいや、続きは疲れるし紙に書こ。
.....沈黙。
俺が書き終わるの待ってくれてんのか。
いいんだけど、何かしら話してほしい。
なんか、悪い事してる気分になるんだよ。
...........よし。
晴斗は受け取って読み始めた。
読んでいるうちにどんどん眉間にシワが寄っていく。
なんか...怒ってる?
ま、それもそうか。
幼馴染みが死のうとしてんだもんな。
こいつなら怒る。
成る程。
そうしないと阻止出来ないのか。
じゃあ俺、取り敢えず代償取り返さない方がいいってことか?
芹澤の代償が戻ったお陰で、随分話しやすくなったな。
これで、ある程度、葉桜の計画は阻止出来た。
エレの計画なんかは、もう完全に阻止出来てると言っていいし。
あ、姫川に教えとかないと。
俺は姫川に教えるために、姫川にメールすることしにた。