第22話
六日目;午後 巧翔
さっき、葉桜に色々言われて考えてみた。
代償の重みって奴を。
でも正直別に対して不便じゃない。
だって、俺は心の声聞こえるし、
口元を見ればなんていってるのかなんとなく分かる。
だから、別にいい。
それに俺は正直言って協力したくない。
だってあいつは俺等を助ける為に自分自身を犠牲にしようとしている。
そんなんで助けられても嬉しくない。
だから、俺は葉桜を助ける。
で、これに関しては白詰に協力してもらう予定。
行っとくけど俺、葉桜に初めてあった時からことのとは知ってた。
あいつの心が読めたから。
あいつが他の能力者も探そうって言ったとき。
あの時気付いた。
で、実はこれ、白詰にすでに少し協力してもらってる。
なんでも記憶が残るのって辛くないか?って質問。
これはエレの心を読んだんだけど。
奴等の狙いはこの能力最高だって思って貰うこと。
そう思ったとき、ほんの一瞬隙が出来るらしい。
で、その瞬間に代償を完全に奪う。
つまり、逆に最悪だと思ってもらえばいい。
だから、ああ言った。
あれで、最悪って思って貰えれば第一段階クリアだ。
まあ、そんなに上手くいくとは思わないけど
あとは、芹澤をこっち側にする。
あいつ嘘つくの上手そうだし。
でも、あいつが一番難しい。
だって、感情がないらしいし。
だから、そこもなんとかしないと、
取り敢えず、俺がなんとかして、代償を取り戻さないと始まらない。
でもなー
やっぱ不便じゃねーんだよな
能力がなかったら不便だったんだけど
それだ。
能力を使わなきゃいいんだ。
なんか、能力って意識しなければ使えないらしいし。
....意識しなければ
てことは俺は今までずっと人の心を読みたいって意識しながら生きてたってことか?
耳が聞こえない分、心の声を聞こうと思ってたのか?
自分がなんなのか分かんなくなってくるな。
なんで、今、こんなに
人の心を読むのに躊躇いを感じてるんだ。
今まで当たり前だったのに。
なにかが引っ掛かる。
......もうやめよう。
考えたくない。
俺が、人の心を読む必要なんてない。
疲れた。
これからは、もう、聞きたくない。
──────────