第6話

旦那が6人
2,759
2021/12/27 10:45
東方仗助
んじゃ、いただきまァ~す
早良星あなた
ど、どど、どうぞお召し上がりください…。
東方仗助
そんな緊張しなくてもw
そう笑いながらお箸を手に取った仗助さん。いや、あなたからすれば私が緊張し過ぎてるように見えてるかもしれないですけど私は今かなりヤバい状態でしてね、あのですね、あっあっあっ(早口)(ノンブレス)



そう脳内大混乱フェスティバルをめでたく開催していると、お味噌汁がとうとう仗助さんの口に入っていった。あーーー!!私のお味噌汁ー!!



何を言われるか怖かったので、仗助さんから顔をそらしていると、突然「うんめぇ!!」と言う大きな声が聞こえた。



見てみれば、お味噌汁の具を頬張った仗助さんが目をキラキラさせながら私を真っ直ぐ見てそう言っていた。
早良星あなた
えっ!私のお味噌汁が美味しいんですか!?
東方仗助
それ以外に何があるんだよwwそれに、めっちゃ美味いぜこれ!尚更自慢するしかねぇな…お忍びでここに来た甲斐があったぜ…。
そう言いながらたちまちお椀の中のお味噌汁を完食してしまった仗助さん。あっという間過ぎる…さっき食べ始めたばかりだったのに…。



でも、美味しいと言ってもらえたことが何より嬉しかった。お母さんにはいつもここがダメだ、あそこがダメだとダメ出しばかりされていたから。
東方仗助
あなた!おかわり欲しい!
早良星あなた
え、お、おかわりですか!?も、勿論です!
まさかのおかわり要求されたー!!一杯完食したことに安心したと共に驚いているのに、おかわりまで!?こんな嬉しいことってあるのかな!!



私はルンルンでキッチンに向かい、お椀にお味噌汁を注いだ。
あら、気に入っていただけたの?
早良星あなた
はい!仗助さん、おかわりまでされたんですよ!
それは良かったじゃない、修行の成果ね
早良星あなた
お母さん…ありがとうございます!!
あれだけダメ出しされたけど、それも全部私のためだったんだと思えた。言おうと思う前に、口が勝手に感謝の言葉を言っていた。本当に、お母さんには頭が上がらないなぁ…。



今日はとっても良い日だなと思わずニマニマしてしまう。仗助さんのいる部屋に近付くと、仗助さんがひょっこりとこちらを覗いて面白そうに笑っていた。
早良星あなた
あ、待たせてしまいましたか?すみません…。
東方仗助
いや、違ぇよ。お前随分可愛い顔すんだなって思っただけだ
早良星あなた
へ…?へぁぁぁぁぁぁ!?ああああ!?
東方仗助
めっちゃ恥ずかしがるじゃあねぇかwww
唐突な「可愛い」発言に驚きが隠せなかった私は、思わずその場でお味噌汁を持ったまま行儀の悪い悲鳴を上げてしまった。



わ、私は悪くないです!!そんなこと言う仗助さんが悪いんですからね!!!

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