アイリスも以外とお茶目なのかな…
仕方ない、このまま机に置いておきましょう
机にノートを置いたと同時にアイリスが帰ってきた。
彼女は机にあったノートを見て安堵していた。
なんなの?予定表かなにかなのかもしれない。
なら、尚更だ。
ライバルと云えど人の日程とか用事を盗み見るのは良くないものね。危なかった。
…其れで誤解を解く算段は?
有ります。確かにわたしは皇太子に手紙を送っていましたが、帰ってきたことは無いです。婚約破棄してから送られてくることは偶に有りました。ですが、此方からは何もしてません。
郵便局に問うて貰って構いませんよ。記録は無いはずですから
…そう、なら良いわ。
私は、出来るだけ今回のことを公にしたくないの。なのに貴女が余計なことを仰るから。
あら、総て事実じゃあ有りませんか。事実を恥じる必要が何処にありますか?
貴方ね…!
まぁ、いいわ。
貴女が今後フェージャに関わったらただしゃ置かないから!
…はぁ、私達は婚約破棄した身、今更そんな気起こりませんよ。貴方と違って。
何ですって!?
其れでは、御機嫌よう。またお話させて下さいね。
はっ?二度と御免だわ!
はぁ、なかなかに伽羅が濃い人だったな…
逆になんであんなやつに連絡取ろうと思うのか神経を疑うよ。
浮気するようなやつと付き合ってもまた浮気するだけなのに馬鹿馬鹿しいな。
…然しこのノート見られてないよね…?
色々ゲームと原作の攻略方法を書いたりルート分岐について色々書き込んでたから…何も言われなかったし…大丈夫か。
あくまでわたしはアイリスだけど中身は転生者…自覚を持たないと。
ふぅ…疲れた。
この頃アイリスが可笑しい気がする。
本当ならこの頃はフョードルに手紙を送っている筈なのに。
もしかして私の立ち回りを間違えたのかしら。
早く手帳に書き込まなきゃ…
転生者の自覚を持ちながらフョードルに恋焦がれる自分がいる。わたしは幸せな生活を送れればそれでいいのに。
…大丈夫。私なら出来る。なんてったって転生者だもの。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。