城の前には沢山の人が居て、門の前には大きなギロチンと真っ黒の棺
城から出てきたのはフョードル・ドストエフスキーだった。
彼の目は虚ろで瞳は濁っていた。
クマも酷く、痩せこけていた。
髪には栄養がいっていないのかパサついていて、それで居て彼の雰囲気は一言では表すことの出来ない気持ち悪さ、嫌悪感を感じる。
棺にいるのは死化粧を施されたアイリス、え?私?
真っ白な顔に真っ赤な口紅、もう光も移さない冷たい躰が棺に丁寧に置かれていた。
フョードルの白い首がギロチン台にはまる。
シュッと、音を立ててガチャン!と金属音がなり、
グチュと、首の切れたグロテスクな音が響いた。
国民の一人がフョードルの首を持ち上げた。
すると悲鳴をあげながら倒れてしまった。
其奴はフョードルと死んだはずの首と目が合ったらしい。
死んだはずのフョードルの躰は首を持ち上げ、棺のアイリスに声をかけた。
『この感情は“愛”…そうですよね♡僕は貴女が何処へ行こうと必ず探し出しますよ…だからといって勝手に何処かに行かないで下さいね…♡』
棺のアイリスは目を開けて一言、
「其れは、“恋”だよ、フョードル・ドストエフスキー。」
そう声が聞こえて目が覚めた。
私は鏡を覗くとアイリスだった。
良かった、先刻のは夢。
最近はこんな夢ばかり見る、
誰も幸せにならない夢、一昨日はアメリアに首を掻っ切られて死んだ後にアメリアはフョードルに監禁溺愛ルートに直結して壊れてしまったし、
昨日はニコライがフョードルを殺して嬉しそうに歓喜の声を漏らした後、恋人のアメリアの心臓を引き裂いて、心臓を取りだしキスを付けてそのまま自殺したなんともグロテスクな終わりを迎えていた。
取り敢えず、事業については成功を収めているし、庶民から貴族まで幅広い客層を獲得することが出来た。
お父さんも褒めてくれたし、あとはこのお金で豪遊すれば其れで善い。
一ヶ月前にニコライに会ったあの日から文通をするようになった。
そろそろ国家転覆の準備が整った
君も家族と一緒に家を出るべきだ、巻き込まれるのは御免なんだろう?
適当な理由を付けて私たちの国に来るといいよ。
事業の展開の為にとかさ、色々あると思うでしょ。
ドスくんに気づかれるのが厄介だからね。成る可く穏便に済ませておくれ!
そろそろ此処も潮時か。
私はメイドに部屋の断捨離及び片付けを命じた。
夕食の時に家族にこのことを云いたかったけど、何か胸がザワつくそんな気がする
ニコライが本当に此方側なのだろうか?
ほんとに信じても良いのだろうか…
夕食の終わりは家族で少し団欒をする時間がある…
私は拳を握りしめた
アンケート
貴方の選択でエンディングが変わります。
家族に話す
17%
家族には話さず、ニコライについて調べる
83%
投票数: 319票
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!