第12話

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2023/05/28 06:49


月日は経ち、また例の交流会が開かれた。
現品を持ってくると云っていた男とは交流会の前に既に手はずを組み事業を開始していた。

庶民にも、貴族にも親しまれる素晴らしい功績を私は収めた。


今日は交流会の後に父に呼ばれた。
げ〜、正直行きたくない。
??
アイリス公爵令嬢にご挨拶申し上げます。
あなた
その声は、
あなた
ヴィッキー!!!
ヴィクトリア・シークレット・メイデン
え、嗚呼はい!わ、私。ヴィクトリア・シークレット・メイデンと申します……な、何故アイリス様のような高貴な方が私の名前を……?
あなた
え!?あ、あはは!急にごめんなさい……実は、私ヴィクトリア嬢と仲良くなりたくて……
急いで言い訳したけれど大丈夫かな……ヴィクトリアは私のことは今回初顔合わせなのに。急ぎすぎたかもしれない。
ヴィクトリア・シークレット・メイデン
そうなのですね!私もアイリス様とは仲良くしたくて……其れも烏滸がましいかも知れませんが、対等なお友達として。
あなた
……!
確かに私、というかアイリスにはたくさんの取り巻きが居たけれどどれも金ずるというかお零れを貰うための社交辞令な奴らばかりだったけど、彼女は外伝の設定でもアイリスと仲良くしたかったらしい
其れに、彼女と仲良くすることで大きな分岐に入れる。之は強い。

ヴィクトリアの名前の意味は“ローマ神話の勝利の女神”と云われている。
この世界の“勝利の女神”を味方に付ければ私がこの世界での勝者、即ち死ぬ事がない。

ヴィクトリア嬢の母方は確か古代ローマ帝国の人だし、父方は英国出身だったはず。
この世界では英国(グレートブリテン及びアイルランド連合王国)ではなく、イングレスと云うらしい。変わった名前をしているがまあ、置いておこう。
あなた
ええ、私も対等に物を云い会える仲が欲しかったの。よろしくね、ヴィクトリア、私のことはアイリスと呼んで。
ヴィクトリア・シークレット・メイデン
はい!よろしくお願いします!アイリス!
薄緑の髪色にスラッとした体型。然して何より目を惹かれるのは大きくぱっちりとした深緑の目。
彼女とは善い関係を築けそう
他の友人と一緒に交流会を愉しんでいたら、アメリアの友人と思われる1人に声を掛けられた
何も、私達がヴィクトリアのネックレスでタンザナイトが使われていると聞いて態々、嫌味を云いに来たらしい
??
あら、本当にそれはタンザナイトなのですか?
あなた
……
ヴィクトリア・シークレット・メイデン
ユミエラ嬢なんですか。
ユミエラ・クーパー・シャーロット
否、タンザナイトは紫色を帯びている筈ですけど……
ユミエラ・クーパー・シャーロット
ヴィクトリア嬢のネックレスは青色ですわね、其れタンザナイトじゃなくてサファイアではありません?
ユミエラ・クーパー・シャーロット
私のはラベンダー色に近い色でしたわ、だから可笑しいと思って
ヴィクトリア・シークレット・メイデン
……ッ!
あなた
……
サラッと宝石知ってますマウントプラス私はそんな高価な宝石持ってるってマウント取りやがって。
あーあ、ヴィクトリアに恥をかかせるようなことして
あなた
ふふっ、可笑しなことを云うと思ったら。貴女ユミエラ嬢だったのね。
ユミエラ・クーパー・シャーロット
……アイリス様
あなた
普通、物を申す前に、公爵令嬢の私に挨拶するのが先じゃないの?
あなた
本当に、礼儀作法を心得たレディとは思えないわね
ユミエラ・クーパー・シャーロット
……!御無礼をお許し下さい。アイリス公爵令嬢にご挨拶申し上げます。
あなた
にしても、そんな生半可な知識で皆を惑わせるなんて……生半可に知るぐらいなら知らない方がマシって習わなかったのかしら?
ユミエラ・クーパー・シャーロット
惑わせるなんて、とんでもないですわ。私はただヴィクトリア嬢の間違いを正そうと。
あなた
仮にヴィクトリアがタンザナイトとサファイアを間違えていたとして誰も訂正しろなんて頼んではいないけど?
あなた
其れに、ヴィクトリアは何も間違ってないわ。
あなた
タンザナイトは抑、ラベンダーブルー詰まり青紫色と云う方が正しいかも知れませんね。其れに、タンザナイトはその青色が青ければ青い程価値が高いとされています。
あなた
ヴィクトリアの其のブレスレットのタンザナイトはかなり綺麗な青色、とても高価な素敵なブレスレットですわ。
あなた
に対して……ユミエラ嬢
アメリア・Y・T
ッ!
あなた
貴女は少々見劣りするタンザナイトを頂いたようね
アメリア・Y・T
……アイリス様それは流石に物云いが過ぎるのでは?
あなた
あら、そうかしら?先刻も云ったけど生半可に知るぐらいなら知らない方がマシって云わなかったかしら?
あなた
無知も行けないけれどそれ以上に生半可にマウントする方がもっと善くないってことよ。
アメリア・Y・T
……失礼致します
あなた
ええ、それでいいのよ。
其の顔、その苦渋の顔が私は見ていて楽しいの、精々フョードルに見合うぐらいの友達ぐらい選びなさいよ。

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