第19話

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2021/10/15 09:04




























文化祭の練習が始まった 。




























『 …… メイド服短くない? 』












会長「 ま〜 、しょうがない 。商売繁盛するよ 。 」












『 貢献できるのはいいけど …… 見えない? 』












会長「 誰も見ないわ !!! 笑 」












『 分かんないじゃん他校と地域の人も来るんだよ !! 』











会長「 まぁそこは気にしないで大丈夫だよ笑 」












『 気にするし笑 』











































尾崎「 会長って意外と変態 」












『 うわっ !! いつから居たの !! 』












尾崎「 最初から見てたけど笑 」












『 今看板のペンキやってるんだから急に来ないでよ …… ズレる … 。 』












尾崎「 ごめんごめん笑 」













『 変態っていうかあのメイド服発注した人が変態 』












尾崎「 ………… それ俺じゃね 」












『 お前かよ!笑 』












尾崎「 え〜あなたに似合うかなって思って 。 」












『 匠海きらーい 』












尾崎「 この前は匠海なしじゃ生きていけないわ…って言ってたのに〜?笑 」












『 ………… それ … は …… 』












尾崎「 分かりやすいねん 、可愛ええわ笑 」












『 … はぁ 、意外と匠海って女たらしだよね 』












尾崎「 はあ!俺はあなたにしか言わんし! 」












『 手洗ってくる〜〜 』












尾崎「 ちょ〜!!ホンマ都合ええなぁ笑 」







































文化祭準備って青春だよなぁ ……












看板だったりプラカードをみんなで作って 。












それに 、












この学校は文化祭が有名な学校 。












文化祭目当てで入ってくる人も少なくはない 。












だから当日はお客さんめっちゃ多いんだよ!












去年忙しくてびっくりした 。



































「 川合さん!!メイドやるんでしょ! 」

















『 …… え、 … あ 、はい … 』
























突然知らない男の子に声をかけられる












ローファーについてる色からして同級生だ 。












でも全く面識ないのに 、びっくりするよ 。






























男1「 ちょっとさ 、あのメイドのおまじないやってくれない!!? 」












『 …… おまじない ? 』












男2「 美味しくなーれ、萌え萌えキュンってやつ!!練習だと思って! 」












『 …… え … 』

















急に友達らしき人も来て五、六人になる 。












ちょっと待って今ここで!?












そんなのやった事ないんだけど ……








































『 ………… えっ 、と … 』





















?「 そういうのは当日のお楽しみにしておいたら? 」












































『 … 藤牧先輩 !!! 』












藤牧「 その方が面白いと思うよ 。 」


















男3「 確かに … さすが藤牧先輩っす! 」












男4「 やっぱ天才ですね!! 」












藤牧「 そんなんじゃないけど笑 。はいはいサボらないで準備してください〜 」












男5「 うっす! 」



































突然肩に手を置かれたと思ったら 、





まさかの藤牧先輩だし 、庇ってくれた 。






























『 藤牧先輩 …… 本当にありがとうございました … !! めっちゃ助かりました … 』












藤牧「 …… 本当にモテるんだね 」












『 …… え? 』












藤牧「 あんな男たちに囲まれて 。 」












『 いや 、からかわれてるだけですよ 。 』












藤牧「 でも普通科のアイドル川合なんでしょ?笑 」












『 もう〜 、いじらないでください 。ていうかあの子たち先輩の知り合いなんですか? 』












藤牧「 うーん 、知り合いっていうか部活の後輩? 」




















『 …… 藤牧先輩って部活入ってたんですか !? 』












藤牧「 うん笑 」












『 何部なんですか? 』












藤牧「 野球部だよ〜 。 」












『 …… え … 意外です 。 』












藤牧「 今絶対坊主じゃないって思ったでしょ 」












『 … エスパーですか? 』












藤牧「 目線が上になったもん笑 」












『 …… なんですかそれ私が分かりやすいみたいな言い方 !! 』












藤牧「 だって分かりやすいんだもん笑 」












『 なんかすみません〜 。 』












藤牧「 なんで拗ねてるの笑 」












『 拗ねてません!! 』












藤牧「 子供っぽいな〜 」












『 一歳しか変わりませんから !! 』












藤牧「 そういう問題じゃないし笑 」






















藤牧先輩と仲良く話してたら 、






前から威尊くんがこっちに向かってるのが見えた 。







































『 …… 威尊くん !! 』













藤牧「 …… 」












後藤「 え !! あなた先輩 !!! 」
























名前を呼ぶと走ってこっちに来てくれた 。
























後藤「 この前、屋上で一緒にお弁当食べるって言ったのに先生に呼ばれて雑務任されたので約束破っちゃいました …… ごめんなさい !! 」












『 全然気にしないで大丈夫だよ笑 。雑務か〜 、何となく想像できる 。先生に振り回されてる威尊くん 。 』












後藤「 … それ悪口じゃないですか〜!! 」












『 え〜?違うよ?笑 』












後藤「 先輩酷いっす 。 」












『 そんな目しても何もしないから笑 』












後藤「 分かってますよ笑 。じゃあ文化祭準備頑張ってくださいね !! メイド見に行きますから !! 」












『 来なくていい〜〜!笑 』



































藤牧「 …… 知り合い? 」












『 … あ 、すみません藤牧先輩の存在完全に忘れてました悪気はありません 。 』












藤牧「 悪気しかないじゃん笑 」












『 ………… そうなんですよ 、知り合いです 。部活の後輩で尚且つ中学からのマブダチです 。 』












藤牧「 話しそらさないで笑 。しかもただのマブダチじゃないでしょ? 」












『 …… 本当に藤牧先輩ってエスパーなんですね 。 』












藤牧「 元彼? 」












『 違いますよ〜 … そもそも元彼いませんし 。 』












藤牧「 … じゃあ告白されたりしたの? 」












『 ………… うん 。私の卒業式の日にね 。元々仲良くしたくれた子だし 、付き合っても良かったのかもしれないんですけど … 恋がどんなものか分からないので断っちゃいました 。本当に素敵な子なのであの時付き合っとけばな〜って今も後悔してるんですけどね 。 』












藤牧「 …… 」












『 急にこんな話すみません 。笑 』












藤牧「 ……… 結局たけるくん?のこと好きなの?今は 。 」












『 好きでは無いです 。恋愛感情が分からないんですよね … なんなら好きかどうかも … 分かりません 。 』





















藤牧「 ……… 恋 、ってなにか教えてあげようか? 」












『 ………… え? 』















藤牧先輩から返ってきたのは予想外の答えで 、





何故か先輩は周りをキョロキョロして 、





私に近づいてくる 。





























『 …… 藤牧 、先輩 … 、? 』























私の背中が壁に着く 。






もう避けられない 。






どんどん距離が近くなってドキドキする 。







































藤牧「 … ドキドキしてる? 」












『 …… え … 、や … あの …… 』












藤牧「 今は距離が近いからって理由のドキドキかもしれないけど 、何もしてなくてもその人のこと見るだけで今みたいな気持ちになる時が恋って言うんだよ 。 」












『 わ … かり 、ました … もう分かったので離れてください 、… 』





















平常心が保てなくなる 。





心臓の音が藤牧先輩に聞こえてないか不安になる 。





ドキドキの度を超えるぐらいキュンキュンしてるよ …

























藤牧「 … そっか〜 、やっぱあなたちゃんはこんなに近づいてもドキドキしないんだ 。大丈夫?彼氏出来る? 」












『 きっと出来ますから !! 笑 』


































教室に帰っても 、












家に帰っても 、












藤牧先輩のことが忘れられない 。












恋人がいるって分かってるのに 。












それでも思い出すだけで胸が苦しくなる 。












… これが恋なの …… ?












そう思った 。












でも 、












まだまだ弱くて未知な私は 、












この気持ちに蓋をした 。












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