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第6話

5 〜あんな思いはしたくなくて〜
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2023/01/29 03:11
今僕たちは、支援学校にある花壇に来ている

そこには色とりどりの花が咲いている


もし僕が普通だったら

桜子ちゃんと笑ってたりお話したりしてたのかな

そう考えると胸が苦しくなってきた


普通が良かった

普通にみんなの声を聞きたかった




はあっ、はぁっ……

んっ、、あれなんで、いきがすえっ、、
鈴木聡
はぁっ、はあっ……
今橋桜子
大丈夫?
なんて言ってるのか分からないけど
息が上手く吸えない

あれどうやって呼吸ってするんだっけ

このまま吸えなくて亡くなって
生まれ変わったら耳が聞こえるようになるのかな。

じゃあいっそうそのままでも……
今橋桜子
先生呼んできたよ   手話
鈴木聡
はぁっ、はあっ、、はあっ
(先生)大丈夫だよ。吸ってみよ、せーのっ、
すーっ、はぁーっ、すーっ

すーっ、はぁーっ

ダメだこんなので死ねない……生きなきゃ
















(先生)大丈夫?怖かったでしょ    手話
鈴木聡
うん、吸えなかった、、 手話
(先生)今日は早退しよっか
すると僕の頭を撫でてから親に電話をして迎えに来てもらった








昼間の自分の部屋は少しだけ涼しい



帰って親に少し寝てくるねと言って


自分の部屋にこもった


あれは一体なんだったんだろう


ネットで調べてみよう









過呼吸……





ってなに?





まぁとにかくそんなのになったのかな



桜子ちゃんと花を見てただけなのにな


僕のからだっておかしいの?



何がいけない?










もう嫌だ






そのまま僕は寝てしまって

現在の時刻は


5時半


しかも朝の


どんだけ寝てたんだよって話だよね。



















(先生)おはよう、大丈夫?  手話
鈴木聡
大丈夫  手話
何も変わってなかった




その後に


今日は僕のことをいじめてた子がいる中学校に行く





先生達はいじめられていたことを知らない


だから僕も行くことになっている


でもきっと

そいつらはいる
怖い…怖い怖い怖い…


また何かされたらどうしよう


何も言い返せない


怖い、、
(先生)桜子ちゃん、連れてきたよ   手話
今橋桜子
おはよう  手話
彼女も一緒に中学校に行く


今橋桜子
大丈夫?   手話
鈴木聡
だっ、だっ、、、だいじょっ、、ぶ、
こんな喋り方じゃだめなんだ


ちゃんと喋らないと

またいじめられる



もうあの思いはしたくないんだ


不公平だよ


なんで、どうして僕だけ



今橋桜子
手っ、握ろ   
笑ってる彼女を校長先生がまいている水で

綺麗に眩しく見えた


その言葉は聞こえて


桜子ちゃんが

笑って僕を見つめている


鈴木聡
う、うん、、にっに、、ぎろ


僕の様子がおかしかったのか

桜子ちゃんはみんなが居ないところに連れて行ってくれて


一生懸命文字にしてくれた






私もいじめられてた

だから

その思い


知ってる
そう書かれた紙を受け取った僕は

どんな表情をしていたんだろう


崩れ落ちたのだけは覚えている


いじめも僕とは桁違いだ


ものを全部ぐちゃぐちゃにされ


白杖を取られそれに足を引っ掛けられて

大怪我をしたり


見えないんだからと言われ部屋に閉じ込められたり

でもそんな彼女は今は笑っている


辛い顔なんてしないから

だから

こう聞いてしまった
鈴木聡
つ、ら、、、く、なっなっ、、いの?
今橋桜子
辛くないよ!大丈夫
あー僕って弱い人間なんだ

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