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第11話

No.9
657
2018/08/06 01:35
朝起きて、ベッドから抜けようとした時。
グイッと誰かに引っ張られベッドに倒れ込んだ。
『わっ!…グゥ起きてるなら言ってよ』
グクはニヒルな笑みを浮かべ「ヤダ…」と言った。


そのまま、グクはセナを抱き締めた。
「セナ、ごめんな。僕何にも分かってなくって…セナを苦しめてたよね…ごめん。ごめんね。」
グクは声音を変えセナの背中に顔を埋めた。
『…私もごめん。もっと早く皆に頼っとけば良かったよね…ごめんなさい。』
セナも眉を下げた。


「…僕だけを頼ってよ…」
『え…?』
その返答は予想外過ぎて間抜けな声が出た。
「僕、セナの事が好き…。」
グクは頬を少し赤らめ言った。


『あ…で、でも…』
「分かってる。」
グクはセナの返答を予測した。


「僕の事、仲間って言う風にしか見てないってのは分かってる。」
『ごめん…グゥ…。』
グクは微笑んだ。


「別にセナは悪くない…僕がただ想いを伝えたかっただけ。セナにはずっと笑って欲しいから…ね?」
だから笑ってよ、っとグクははにかんだ。

セナは涙が出そうになるのを堪えた。
丁度その時、扉が開く音がした。

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