休憩中、いつも鼻歌を歌ったりしているセナが妙に静かだったのが気掛かりだったユンギ。
「なぁ、セナ…お前なんか変だぞ」
ぼーっと突っ立ったているセナを見てユンギは少し頭に来た。
まるで人の話を聞く様な態度ではない。
そんなセナの礼儀も何もない態度を見てユンギは言った。
「いい加減にしろ、何に悩んでんのか知んねぇけど練習に集中しろよ。」
セナの中で何かがキレた。
『るっさい……』
『うるさいッ!うるさいッ!』
『あんた達に何が分かるのッ…私の何が分かるのっ!…女優デビューやソロデビューもして晴れてオッパ達と同じ台の上に立てると思ったのに現実はそう甘くなかったッ!』
それはセナの自分に対しての絶叫。
世間に対しての拒絶だった。
『女優デビューもして、台本を読んでそれに合う演技をしてOKを貰えた筈なのにネット散々にまで叩かれる。ソロデビューしたかと思えば全く歌詞が思い浮かばない…ッ!………もうやだよ……こんな世界いても居なくても一緒だ…。』
セナは蹲り涙を流した。
それは日頃のネット悪口や防弾少年団と言うプレッシャーによるストレスだった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!