スタッフAside
もう10分は過ぎただろうか…
今の時間が長く感じる…
あぁ…
なんで私はこんなにもイライラしてるんだろうか…
誰のためにこんなにイライラしてるの…?
あの女とメンバーの関係なんてどうでもいいはずなのに…
何故か気になってしょうがない…
そんな事あるわけないと、私は首を横に振り自分に言い聞かせる。
ありえない事考えるな…
ガチャッ
そのような事を考えていると、閉まっていた練習室の扉がゆっくりと開いた。
帰ってきたのかと扉の方にに目を向けると、そこにはあなたさんだけが立っていた。
もう作戦通りにすればいい……
そう思い、私はあなたさんへと近づいた。
あなたさんは目を泳がせて黙り込む。
それを見てそばにいたスタッフの3人が口を開き始めた。
あなたさんはスタッフDの言った言葉に反応して否定をしようとしている。
嘘ついてるのバレバレに決まってるじゃない…
そろそろ作戦通りするかとスタッフの3人に目配せをして私はあなたさんの手を握って引き寄せた。
私はそう微笑んでスタッフの3人と一緒にあなたさんを連れてあの場所へ向かった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!