『今日は流星群が降るらしい』
どこからか、そんな明るい声が聞こえた
そういえばここは路地裏だっけ
何日物を食べていないか、
何日寝ていないか
そもそも家などないのだが
流星群なんて、大嫌い
それでも、流星群が降る度に
よく見える場所へと足を動かしてしまう
長い事座っていた地面から
体を起こし、立ち上がる
どこの学校の物かも分からないセーラー服を
身に纏った少女が平日の昼間に
路地裏にいるのは、実に不思議な光景だろう
軽く裳裾に付いた砂を払い、
小高い丘に歩き出した
寝ず食わずでも動くこの身体が
途方もなく怨めしい
それでも久々に動かした足は
関節が少し痛んだ
あぁ、私まだ生きてるんだ
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不老不死だった
死ねなかった
大切な人の死を見送って尚
情けなく生き続けるこの息の根を、
止められるなら今すぐ止めてやりたい
そんな事が可能なら疾っくにやっているけど
何十、何百と生きる私は、
当然人から忌み嫌われる
そうすると、いつの間にか人と関わることを辞めた
どうせ、何奴も此奴も同じでしょ?
知らないから怖いんだ
私はただ、普通に逝きたかった
普通に生きて
普通に歳を重ねて
普通に終わりたかった
ただ、普通に────────
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。