第5話

流星群が降る丘
36
2021/09/18 11:27
夜宵
夜宵
…………


いつからだろう




陽の下に出なくなったのは



日が出ている間は、どうにも体が言う事を聞かない



座り込んで、もう日が沈むまで歩けなくなる



それまで、路地裏で時間を溶かす


なんでだろう、



私を脅かすモノなんて
きっともう何処にも居ないのに


今日も星夜は、あの丘に来るかな
夜宵
夜宵
早く、行きたいのに……


あの丘は、どこか懐かしい
まるで、あの日をそのまま映したような


もう一度、いや、何度でも
あの丘に行ってみたい
夜宵
夜宵
ッもう……!


なんで、この足は動かない?

トラウマなんて、もう消えていい頃なのに


懐かしく、暖かい



それと同時に





私の胸を締め付け、切り刻む
夜宵
夜宵
人間なんて、大っ嫌いだ……っ



星夜も、人間




でも、嫌いじゃなかった









なんで……




昨日は、星も、人も、好きになれそうだったのに
夜宵
夜宵
変われない……っ



好きになりたかったのに








何一つ、正しくなんてなかった





まわりに、時間に








一人だけ取り残された

プリ小説オーディオドラマ