いつからだろう
陽の下に出なくなったのは
日が出ている間は、どうにも体が言う事を聞かない
座り込んで、もう日が沈むまで歩けなくなる
それまで、路地裏で時間を溶かす
なんでだろう、
私を脅かすモノなんて
きっともう何処にも居ないのに
今日も星夜は、あの丘に来るかな
あの丘は、どこか懐かしい
まるで、あの日をそのまま映したような
もう一度、いや、何度でも
あの丘に行ってみたい
なんで、この足は動かない?
トラウマなんて、もう消えていい頃なのに
懐かしく、暖かい
それと同時に
私の胸を締め付け、切り刻む
星夜も、人間
でも、嫌いじゃなかった
なんで……
昨日は、星も、人も、好きになれそうだったのに
好きになりたかったのに
何一つ、正しくなんてなかった
まわりに、時間に
一人だけ取り残された
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。