
第3話
3
車椅子に座り屋上庭園からビル群を見下ろしている、どこか淋しげな流星が悟り始めた
辛いのに、苦しいのに、きっとそうなのに無理して俺に訴える流星を見ているのはとても辛かった
でも 本当のことを言うのも辛かった
「何もかも捨てた」そんな風に流星は言う
なんでそんなことを… と思って話を聞いていると、どうも流星、入ったばかりの頃、友達を亡くしたという
4年前、入院生活が始まった流星と望
2人が、四人部屋の患者であることに変わりはなく、初めから四人部屋だった
その、前からいた2人もそうだったらしい
2人とも高3で、流星と望とは年齢が離れていたようだ
1人は 薬の副作用によって心肺停止を起こし、即死した。
体が弱かったその子に 施す術 は 殆どなかったという
もう1人は、転んで骨折したと思っていた傷から菌が骨に侵入し、足を温存できる状態ではなくなった。
そこから侵食を抑えることが出来ず、少しずつ体力を奪われ、検査で余命宣告された
「 流星、望、 まだ俺、生きてたい」
最期にこの言葉を残し、亡くなっていったという。
車椅子からガタッと立ち上がり、
ビル群に向かって叫んだ
流星の瞳から
涙が溢れていることに気がついた。
嗚咽混じりになってしまったけど、自分の気持ちをしっかり伝えた。
力強く抱き締めた流星に泣きつく
きっと、流星から見たら大人気なさすぎる先生なんだろうな 、 w
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流星を心の底から助けようと思った時
心の底から泣いて 流星を抱き締めた時
2人が いる病室では 大事件が発生していた
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