立花side
私はバレないように見つめ、呟いた。
美弥は何かを察したように呟いた。
正直、この光景だと、私も浮気してるようにすら捉えられるが、美弥は後輩であり、それは裕也も承知済みのはずである。
裕也の職場に、あんな子いなかったな……。
美弥は気まづそうに私に話しかけた。
ほんと、優しいなぁ。
私は無理やり笑顔を作った。
私たちの手元には、コーヒーとミートドリアが1つずつ置かれていた。
私は笑顔を顔に貼り付け、美味しそうに食べだした。
その時、美弥が席を立ち上がった。
私がそう声をかけると、美弥は私の手を取って引っ張った。
美弥はそう言うと、店員を呼んでドリアを残すことを謝ってから、お金を払いそそくさとお店を出た。
もしかしたら、私がこの店にいるのがきまづいことを悟って連れ出してくれたのかもしれない。
ほんとに、美弥には感謝しかないな。
美弥は私に、いつもの無邪気な笑顔ではなく、魅力的な大人の雰囲気を醸し出した表情をした。
私は、一瞬ときめいた気がした。
私は柔らかく微笑んで、美弥の手を引っ張った。
美弥side
先輩と喫茶店に来てみたら、裕也先輩と女の人を見るだなんて……。
僕は、少しイライラしていた。
先輩という存在を差し置いて他の人といるなんて……。
ありえない。
優しくて、頼りがいがあって、可愛い。
僕は、絶対悲しませないのに……ーーーーー。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!