あなたside
『さっむ…』
枯れた心に乾いた風が通って行った。
『はぁ…』
さっきから出るのはため息ばかり。
スーパーに行ったら安くなってて
やけくそでたくさん買っちゃったから
めっさ重いし、さっきのも理解出来てないままやし…
家まであと少し歩いて右に曲がって5mくらい歩く。
すぐ着いちゃうな…
帰りたくない…
でも、荷物重くて手痛いし早く家に着いてほしい。
いろんな感情がごっちゃになって
目頭が熱くなった。
あとはここを曲がって歩くだけなのに
手前で止まってしまう。
『グスッ… 何泣いてんだろ……』
1度溢れ出た涙は止まらない。
そして、1度止まった足は動かない。
しゃがみこんだ。
『あそこには私の居場所はないのかな……』
そう呟くと倍の大きさになった雫が
ボロボロと溢れ出た。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。