第94話

番外編
1,105
2018/12/10 14:54
女side
彼に恋をした。





出会ったのは高校の時。



私たちの高校は私服登校で髪色や髪型は自由。

ピアスさえ開けなければだけどね。







私がマネージャーをしていたサッカー部に


入ってきた3人と仲のいい1人の1年。





赤髪くん



金髪くん



メガネくん





そして



紺のような暗い青色の髪の




そらくん。



Fl●shという雑誌で読モをしていた。


もう今はやめたみたいだけど。






彼らはフレンドリーだったからすぐ仲良くなれた。




バカですぐにふざけて



でも何事にも真剣で。



不意に見せる真剣な顔が驚くほどかっこよくて。




そんな彼に惹かれて行った。




恋愛経験はある程度積んできた。




だけど、彼は私の全てをくつがえしてきた。






でも



そんな想いを伝えることも無く卒業した。








恥ずかしながら、未だに


半分くらいの後悔と未練が残っていた。






だから、スーパーであなたちゃんと会った時運命かと思った。






けど、高校の時のように彼は私を見ていなかった。







悔しかった。




禁断の恋に負けるなんて信じられなかった。





意地悪したかった。




少しだけでもいい。


今の間だけ私を見て欲しかった。









けれども、やっぱり変わらずずっとあの子しか見てなかった。




諦めるしかない。










「あなたちゃん、大切にしなよ」



最後にそらくんに小声で言った。



普段見せない照れ顔を見るのが辛くて

早足で帰った。
























「やっと踏ん切りついたかなぁ」





ひとりの帰り道。






新しい恋を見つけよう。



そう静かに決めた。

プリ小説オーディオドラマ