女side
彼に恋をした。
出会ったのは高校の時。
私たちの高校は私服登校で髪色や髪型は自由。
ピアスさえ開けなければだけどね。
私がマネージャーをしていたサッカー部に
入ってきた3人と仲のいい1人の1年。
赤髪くん
金髪くん
メガネくん
そして
紺のような暗い青色の髪の
そらくん。
Fl●shという雑誌で読モをしていた。
もう今はやめたみたいだけど。
彼らはフレンドリーだったからすぐ仲良くなれた。
バカですぐにふざけて
でも何事にも真剣で。
不意に見せる真剣な顔が驚くほどかっこよくて。
そんな彼に惹かれて行った。
恋愛経験はある程度積んできた。
だけど、彼は私の全てを覆してきた。
でも
そんな想いを伝えることも無く卒業した。
恥ずかしながら、未だに
半分くらいの後悔と未練が残っていた。
だから、スーパーであなたちゃんと会った時運命かと思った。
けど、高校の時のように彼は私を見ていなかった。
悔しかった。
禁断の恋に負けるなんて信じられなかった。
意地悪したかった。
少しだけでもいい。
今の間だけ私を見て欲しかった。
けれども、やっぱり変わらずずっとあの子しか見てなかった。
諦めるしかない。
「あなたちゃん、大切にしなよ」
最後にそらくんに小声で言った。
普段見せない照れ顔を見るのが辛くて
早足で帰った。
「やっと踏ん切りついたかなぁ」
独りの帰り道。
新しい恋を見つけよう。
そう静かに決めた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。