第6話

ヒカぎぞ編2
1,102
2023/03/20 15:32


ヒカックのあの台詞を聞いてから、また俺の日常の歯車が崩れだした。
一週間も経たないうちに、けんけんくん、コハロンまで居なくなってしまった。
そして同時に、ヒカックの記憶からも彼らは消えていたんだ。


そして今日、ヒカックとぽんPが連れていかれた。


ぽんP、どうか無事に戻ってきてくれ…!







……案の定、戻って来たのはヒカックだけだった。
ぎぞく
ヒカック…!ぽんPは…!?
ヒカック
……?
ぎぞく
……っ…

ダメだ、覚えてない。

なら次は俺か…?俺しかいないよな…。
嫌だ。まだ死にたくない。
ぽんPたちが死んだと決めつけるのは良くないかもしれないが、でももうほぼ100%の確率で…。
ヒカック
ぎぞくさん?
ぎぞく
え、あ…
ヒカック
どうしたの?
ぎぞく
……いや、なんでもないよ
…俺がいなくなったら、ヒカックの記憶から俺も消えるのか…。


なんか、やだな… せっかく仲良くなったのに…。



そんなことを考えていると、警報が鳴り響いたんだ。
ヒカック
なに…?
ぎぞく
警報…?
部屋の外で大人たちが騒いでいるのが聞こえた。


すると次の瞬間。

まるでヒーローが登場したかのように、めちゃくちゃ硬い扉を蹴りで破って男の人が入って来たんだ。
???
! 対象の少年たちを確認しました!
???
ネコおじ! 一番近い出口までの道を出して!
ネコおじ
『分かった!10秒待って!』
ヒカック
だ、だれ…?
???
…あ、怖がらせてすみません
???
自分の名前はおんりーといいます
おんりー
あなたたちを助けに来た、通りすがりの正義の味方です

扉の方を見ると、倒れている大人たちが複数人いた。


…この人が全員倒したのか…?
ネコおじ
『おんりーちゃん!出口までの地図を送った!』
おんりー
ありがとうございます!
ぎぞく
…あの
おんりー
はい?
ぎぞく
…ここから、出れるんですか?
おんりー
はい
ぎぞく
自由になれるんですか?
おんりー
はい
ぎぞく
…………

…なんとなくだけど、この人は大丈夫だって感じた。

ヒカック
ぎぞくさん?
ぎぞく
ヒカック、行こう
ヒカック
え?
ぎぞく
あの…!
おんりー
大丈夫です、一緒に行きましょう
おんりー
自分について来てください!
ぎぞく
お願いします!
ヒカック
え?え?え?

半強制的にヒカックの手を取り、走り出す。

後ろでヒカックが何か言ってた気がするけど、今は逃げるのが先だ。



外に出ると、車が一台止まっていた。
おんりー
ぼんさん!
ぼんじゅうる
おんりーちゃん!君たちも早く乗って!
どうやら、おんりーさんの仲間らしい。

俺はヒカックの手をとったまま車に乗り込む。
ぼんじゅうる
ちょっと荒い運転になるから、しっかり掴まってて!
ヒカック
うわあああっ!?
言い終わると同時にアクセル全開で車が走り出したものだから、その衝撃に驚いたのか、ヒカックは声を上げた。
ぎぞく
…あの、ありがとうございます
おんりー
いえいえ
ヒカック
…………
ぼんじゅうる
えっと、ヒカックさんとぎぞくさんで合ってるかな?
ヒカック
(ビクッ
ぎぞく
あ、はい
ぼんじゅうる
大丈夫、怪しい者じゃないから
おんりー
ぼんさん、そう言ったらますます怪しくなりますよ
ぼんじゅうる
ははwそうだなw
ぎぞく
大丈夫だ、ヒカック
ヒカック
…………
ヒカック
ぎぞくさんが、そういうなら…
ぎぞく
あの、それで…
おんりー
これからどこに向かうのか、ですか?
ぎぞく
なんで分かったんだ…?
おんりー
今から向かう場所は、僕らのアジトです
おんりー
そして、あなたたちの将来を決める分岐点にもなる場所です



続く





ここまで読んで下さってありがとうございます


お知らせがふたつあります。

1つ目は、IFシリーズの『君の望むハッピーエンドへ』は、しばらく更新ありません。
と言いますのも、こっちの物語が進まないとちょっと話が訳わかんなくなるので。
なので暫くはこちらをメインに投稿していきます。

2つ目は、これからこの物語を毎週月曜日の20時に投稿していきます。
もしかすると投稿されない日があるかもしれませんが、その時はすみません



それではまた( ´ ▽ ` )ノ

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