ヒカックのあの台詞を聞いてから、また俺の日常の歯車が崩れだした。
一週間も経たないうちに、けんけんくん、コハロンまで居なくなってしまった。
そして同時に、ヒカックの記憶からも彼らは消えていたんだ。
そして今日、ヒカックとぽんPが連れていかれた。
ぽんP、どうか無事に戻ってきてくれ…!
……案の定、戻って来たのはヒカックだけだった。
ダメだ、覚えてない。
なら次は俺か…?俺しかいないよな…。
嫌だ。まだ死にたくない。
ぽんPたちが死んだと決めつけるのは良くないかもしれないが、でももうほぼ100%の確率で…。
…俺がいなくなったら、ヒカックの記憶から俺も消えるのか…。
なんか、やだな… せっかく仲良くなったのに…。
そんなことを考えていると、警報が鳴り響いたんだ。
部屋の外で大人たちが騒いでいるのが聞こえた。
すると次の瞬間。
まるでヒーローが登場したかのように、めちゃくちゃ硬い扉を蹴りで破って男の人が入って来たんだ。
扉の方を見ると、倒れている大人たちが複数人いた。
…この人が全員倒したのか…?
…なんとなくだけど、この人は大丈夫だって感じた。
半強制的にヒカックの手を取り、走り出す。
後ろでヒカックが何か言ってた気がするけど、今は逃げるのが先だ。
外に出ると、車が一台止まっていた。
どうやら、おんりーさんの仲間らしい。
俺はヒカックの手をとったまま車に乗り込む。
言い終わると同時にアクセル全開で車が走り出したものだから、その衝撃に驚いたのか、ヒカックは声を上げた。
なんで分かったんだ…?
続く
ここまで読んで下さってありがとうございます
お知らせがふたつあります。
1つ目は、IFシリーズの『君の望むハッピーエンドへ』は、しばらく更新ありません。
と言いますのも、こっちの物語が進まないとちょっと話が訳わかんなくなるので。
なので暫くはこちらをメインに投稿していきます。
2つ目は、これからこの物語を毎週月曜日の20時に投稿していきます。
もしかすると投稿されない日があるかもしれませんが、その時はすみません
それではまた( ´ ▽ ` )ノ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。