*壱馬*
やば…
久しぶりにこんなツラくなった。
樹が来るって言ってくれたけど、
うつしちゃまずいから断った。
エントランスのチャイムだ。
誰だよ…
だるいと思いながらも向かい、画面をみると、
驚きながらボタンを押す。
焦り、驚きながらもドアを開けた。
なんであなたちゃんが来てくれたん…
ベッドで寝て待っていると、
さっきはあんなに大きな声で話してきたくせに、
謎にめっちゃ小声で呟いた。
動揺しすぎでしょ…
小動物みたい。笑
可愛いとはとてつもなく思ったけど、
チャラいと思われそうだからやめといた。
いつもと違うメガネだ。
真面目っぽい感じ。
まさか俺と会うときだけ違うとか…
いや、嘘です。
調子乗ってすみません。…
俺はとりあえず平然を装って、
と、カッコつけてみた。
さっきから「あっ、」って言い過ぎ。笑
まあ、そこも可愛い。
落ち着いてそうで、落ち着いてない。
まあ、そんなこと心配できるほど
俺にも余裕はないけど…
だって好きな子が来てくれてるから。
しかも制服で。
襲いたくなる。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!