___縁下side
入学・入部してからだいぶ経った。
途中で烏養監督の指導がキツすぎて
俺と木下と成田は逃げ出した。
田中と西谷とあなたは残っていた。
そんな俺たちを心配してかあなたはよく話しかけに来てくれた。
もう1回バレーをしたいと思い、俺たちは戻った。
「おかえり」
そう言ってくれた。
嬉しかった。
また前のような生活に戻る。
相変わらず田中・西谷・あなたは騒がしい。
相変わらずというより前よりうるさくなった。
まぁ、俺たちがサボっていた間も一緒にいたからそうなるのは当たり前だろう。
3年生が引退してからはさらに騒がしさが増した。
まあ、その度に大地さんに怒鳴られてるんだけど笑
そんな平和な毎日を送れるのも、、全部、
あなたのおかげだ。
そして______
やっぱり部活の見学に行った時の予感は的中していて
俺はあなたのことを好きになっていた。
でも、話しかけても返事が素っ気ない。
田中や西谷と一緒にいる時の元気は
微塵も感じられない。
俺もあの輪の中に入りたいと思う。
でも、3人で馬鹿しているのを見るのも好きだ。
あなたとは少し気まづいし、周りも何か悟っている。
烏野高校排球部の人たちは
すごくいい人たちばっかりで
それでいてバレーも上手いから
この場所が大好きだ。
これ以上周りに迷惑をかける訳にはいかない。
だから______
この気持ちは一旦忘れよう。
——-✄———-✄—-—-✄———-✄———-✄-——
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。