第12話

返事よりも
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2018/06/16 08:00
人生初の告白を不意打ちでくらい、私はただ相手の男子を見つめた。

男子の顔は赤かった。

「だからその、付き合ってほしくて!ダメ……ですか?」

「…………」

ダメって何の話だっけ、あ、えっと……。

うろたえてしまいなかなか言葉を返せないでいると、いきなり体育倉庫の扉がガラリと開いた。

「高崎?いるか……」

そう言ったのは、二宮先輩で。

互いに顔の赤い私たちを見て、すぐに何かを察したようだった。

気まずい沈黙が流れる。

「……邪魔したな」

先輩が体育倉庫の扉を閉めようとする。

「待ってください!」

何故か私の口から引き止めるような声が出た。

二人ともから視線を感じる。一つは疑問、もう一つは……。

その時、先輩がふっと笑った。

「……居残りは今日、なしにしてやるから。そいつと帰れ。な」

「先ぱ」

「ほいっ!」

「!?」

突然チェストパスでボールを飛ばされて、ビクッとしつつ右手で顔辺りをガードし強く目を瞑る。

先輩との距離があまりに近いため、キャッチは不可能だと判断しての行動だったのだが。

……あれ?痛くない?

「やっぱ引っかかるんだよなー!パスする“フリ”だよ“フリ”。本当お前、面白いわ」

思いきり笑って、先輩は私の頭にボールを乗せた。

先輩はすぐにボールから手を離したので、慌てて支えようと頭上に手を伸ばすと、偶然先輩の手とぶつかった。

驚きじゃなく、心臓がドクンと鳴った。

先輩と触れた部分が急速に熱を上げ始める。


――『ラブの予感?』――


ふざけて笑ったるーちゃんの言葉が脳裏に蘇る。それは直接言われた時と違い、妙に現実味を帯びていた。

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