第19話

やっぱりドSなんですね
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2018/06/18 14:36
私は無駄な抵抗と知りながら視線を逸らし、抗議した。

「い、嫌です!絶対先輩もうわかってるじゃないですか!!」

「ん?何が?」

「だから……っ」

「?」

ニコニコと笑っている先輩。どこからどう見ても作り笑顔だ。

ここまであからさまだといっそ清々しく思えてくる。

しばらく粘ったが、先輩は私が態度で気持ちを示さない限り離してくれなそうだった。うるさいだけの鼓動はおさまらないどころかどんどん加速していく。

「……っあぁもう!!」

私は先輩の首に腕を回して、拙いキスをした。

ただ押し付けただけの唇を離し、かああっと赤くなっていく顔で先輩を見つめる。

「先輩が好きです!大好きです!!」

半分以上やけだった。

私の渾身の告白は、先輩に届いただろうか。

「……うん。俺も好き……」

先輩が空を仰いで呟いた。

気のせいか、先輩も顔が赤い気がする。

「ちょっとはドキドキしました?」

「……うん」

「!」

え、何今の「うん」って、かわいっ……!

思わず先輩をじっと観察すれば、不意に後頭部に手を回された。

「俺を可愛いって思ったな?光」

「!?」

なんでバレて……!?てか名前呼び!?

「恋人になったからな。光も俺のこと朔(さく)って呼べよ?敬語もなしだぞ」

「そ、それは……」

「できない?ならキスだな」

「えっ、っ――……!」

問答無用で唇を奪われる。

やがて離すと、先輩はまたにやりと笑った。

「これからよろしくな?光」


――そして、先輩のドSに翻弄されながらも幸せな日々が始まるのでした。

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