第7話

番外編 1回目の人狼ゲーム 1日目
337
2019/01/03 08:25


できれば薬品庫の中に戻って洗剤のボトルを取ってきたいが、
今薬品庫の中に入れば確実に毒死するだろう。






キッチンにあった洗剤を持ってこれるのは、キッチンで
お皿洗いをしていた私とコモモさんだけ。






その時点で私はかなり怪しまれる。





それに、ルイはイミナと協力して薬品庫と武器庫を
見張っていたから、イミナはおそらく薬品庫に来るだろう。

ルイに薬品庫の状況を聴く為に。



イミナに床に落ちている洗剤のボトルを見られたら…




私がかなり怪しい人物になる。







………ん?




まてよ…?




上手くいけば…



 


イミナを第一発見者にすることもできる…?





そうだ。




イミナは食事にも来なかったし、「ルイと共同で薬品庫と武器庫を
見張っていた」という証言は、ルイが死んだ今は説得力がない。

そもそも、第一発見者が1番怪しまれる。


上手くいけば、イミナにアリバイはなくなる…



春野 スズ
(ようは私が人狼だとバレなければ
いいんだ。)
春野 スズ
(私が人狼だとバレなければ…)







私は服に毒の臭いがついていないか確認した。

どうやら臭いはしないようだ。


それにしても、私が薬品庫のドアを押さえつけている
所を誰にも見られなくて良かったな…


見られたら人狼確定だし…







そんな事を考えながら、私は歩き出した。



早く寝たかった。


少しでも身体を休めたかった。



私は色々な部屋を周って、寝られそうな部屋を探した。


すると三階に、寝室のような部屋があった。
春野 スズ
ここなら、寝られそう…


私はベッドに潜り込んだ。



掛け布団を頭まで被った。
世の中の全てが私を否定しているような気がして怖かった。







『お前は、ヒトゴロシ。』













『ヒトゴロシは、お前。』









人狼になるって、こういう事なんだ。
人を殺すのは一瞬だけど、罪悪感は永遠に続く。
それでも…






そんな罪悪感を背負ってでも…どうして…















『私は生き残りたいの…?』

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