突然、マリアがきりだした。
サキの見事な演技力をよそに、マリアは淡々と話し続ける。
時が止まったような感じがした。
マリアの言っていることは、なんて理不尽で、非人道的で…
なんて正しいんだろう。
私はルイを殺した。
これは決して許されない行為。
罰せられる行為。
けれど私は、処刑される訳にはいかない…。
みんなマリアの言葉に圧倒されたのか、それぞれ探索を始めた…。
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サキは大きな溜息をついた。
ここは薬品庫。私がルイを殺した場所。
皆はそれぞれの思惑があるのか、薬品庫から出て探索を
始めた。
だからここには私とサキの2人しかいない。
ルイの死体の横でしゃがんでいたサキは、突然天井に向かって
大声を上げた。
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薬品庫にはルイの死体がある。
私は それ を見るのが嫌だから隅にいる。
殺しておいて言うのもなんだけど、吐き気がするから…。
名前を呼ばれ、私はサキの方を向いてしまった。
サキの顔はにやけていた。
この後おきた出来事は、言わなくても分かるだろう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!