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第36話

🏐✾
53,068
2023/03/17 10:18





宮治
宮治
角名、ここにおったん?
北さんが探してんで。







廊下の端の階段から現れた治さんの言葉に、


角名さんが、眉をひそめながら、目を細めた。










角名倫太郎
角名倫太郎
…ホントに?俺なんかしたっけ…

宮治
宮治
んや、俺もツムも銀も呼ばれてん。
監督が呼んでんやろ








角名さんは、ため息をつきながら、肩を落とし、私の方に目を向けた。








角名倫太郎
角名倫太郎
…じゃあね あなたちゃん







角名さんはそう言ったあと、治さんと一緒に、体育館の方へ行ってしまった。






宮治
宮治
……









角名さん達と別れたあと、

少し小走りに、部屋に向かっていると、廊下の先、前方に2人の人影が見えた。




あのジャージは、多分、井闥山。








あなた
……







少し目を伏せて、顔を隠しながら、2人の横を通り過ぎようとすると、

ふいに、声をかけられた。








佐久早聖臣
佐久早聖臣
…ねぇ







まさか、話しかけられるとは思っていなかったため、少しびくりと反応する。



袖で口元を隠しながら、眉をひそめて顔を上げると、この前の美青年の姿が目に入った。










佐久早聖臣
佐久早聖臣
…シャンプー、ありがと






美青年の言葉に、少し驚きながら、軽く笑う。




あなた
あ…いや、全然…!





私がそう言うと、美青年の隣にいた男の子が、明るく声を上げた。





古森元也
古森元也
えっと、烏野の…あなたちゃん…だっけ?








男の子の言葉に、頷きながら声をもらす。


すると、男の子は可愛らしく笑いながら、美青年の方を指さした。







古森元也
古森元也
佐久早みたいに、よくマスクしてる人いるなって思ってたんだよね








そういえば、この美青年も、今はマスクをつけている。

なんだ?…試合の時外すってことは、キレイ好きか?


そう思っていると、なにかに気づいた美青年が声を上げた。











佐久早聖臣
佐久早聖臣
なんで今日はマスクしてないの






マスクのことは、触れずに流してほしかった…


そう思いながらも、突然の問いかけに答える。








あなた
あ、…マスク、無くして…








言葉を詰まらせながらそう言うと、美青年は少し考えたあと、口を開いた。







佐久早聖臣
佐久早聖臣
……じゃあ、あげる 今持ってるし


古森元也
古森元也
……






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