今日は、ドイツが最後の日だ。
俺はパンフレットに書いてあったケルン大聖堂に行った。夜景が綺麗と書いてあったから夜に行くことにした。
ケルン大聖堂は、びっくりする程美しかった。
俺は息を呑んだ。
仕事の疲れは一瞬で飛んだ気がした。
大聖堂に向かって歩くと俺は、ある事に気付いた。
それは、周りがみんなカップルということだ。
みんな、手を繋いで楽しそうに笑いあっている。
あぁ、羨ましいな。
こうやって、好きな人と堂々と手を繋げて
笑いながら歩けたらどれだけ幸せなのだろうか。
気付いたら涙が頬を伝っていた。
グガと、来たかった。
なんて、言えない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!