料理をしているヒョンは、危なっかしい。
包丁が指のすぐ近くにあるし、
食器も落ちそうだし、、、
でも、僕が行くと怒られちゃうから
影からみるしかなくて、
え、
僕は急いでキッチンに行った。
そう言っているヒョンの手からは血が滲み出ている。
はぁ。ヒョン。なんで隠すの?
だから、心配だったのに。
僕は我慢出来ず、ヒョンを後ろから抱きしめた。
ヒョンは、その手を隠した。
僕はヒョンの手を掴んでリビングに連れて行った。
僕は絆創膏を持ってきた。
そういきなり言うと、ヒョンは家を出ていってしまった。
【⠀俺はお前のヒョンなんだからな 】
その言葉に少し悲しさを覚えた。
ヒョンじゃなくて、僕はあなたの
に、なりたいのに。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。