第13話

13.
1,975
2020/10/11 12:33




あなた「はぁ…」
「疲れてる?」
あなた「あっ、いえ、ケホッ、…ぜんぜん、!」


「あれ?風邪?身体もちょっと熱いけど、」


あなた「ちょっと前に、熱でて、…今はもう、微熱なんで、」


「そっか、、無理しないでね。」


あなた「はいっ、ありがとうございます…」

あれから数日。


今日は俺スカの撮影。


しかも、

しゅんと2人きり。



…やっぱり、あのとき恭平に聞いたらよかったかな。


すごく、もやもやする、


「ね、道枝くん、めちゃくちゃイケメンじゃない?すごい綺麗な顔してるよね。やっぱキュンキュンするの?笑」

そんなことを、

にこにこしながら話すメイクさん。





あなた「うーん、、仕事なので、ね、笑」
「えー、、でも道枝くんはあなたちゃんに惚れちゃうかもよ?髪の毛つやつやだし、目も大っきいし、まつげも長いし。ほんとかわいい。」
あなた「え、?、いや、わたしはぜんぜん…」
「謙虚だなぁ、笑笑」


長い髪は、

ふわっと巻かれ、



メイクも終わった。





「よしっ、頑張って!」
あなた「ありがとうございますっ…」







…がんばろ。

変に、気にしないようにせな。




_______________________________________________


「大丈夫ですか?」
あなた「はいっ、大丈夫です。道枝くんも、大丈夫?」
駿佑「えっ、あ、はいっ… 大丈夫です。」


撮影が終わり、

チェックしとったけど、



…ほんま、

あなたとおるとあかんわ。




集中できひんっていうか、



ほんまに恋してるみたいでいいって。

褒められたけど、



…そりゃ、


あなたに、まだ、恋してるから。








「じゃあ今日はこれでおしまいです。おつかれ様でしたー」
あなた「ありがとうございました、お疲れ様でした!」
駿佑「お疲れ様でしたっ…」
あなた「おつかれさま。」


駿佑「…おつかれ、」




あなた、今日、そっけない。

…そうやんな、

別に、より戻したわけやないし、



何、期待してたんやろ。

自分から、離れたくせに。




俺は大きなため息をついた。


「どうしたん?」
駿佑「あ、いえ…」
「あの子のことほんまに好きなっちゃったとかやめてや笑」



マネージャーさん、

鋭すぎやろ、






駿佑「大丈夫ですよ、、笑」

ぜんぜん大丈夫やないけどさ。





どうすればいいん、



「ホテルまで送るから車乗り?」


駿佑「あっ、はい…」






急いで車に乗り込むと



そこにはあなたと、あなたのマネージャーさんもいた。

そりゃそうやんな、同じホテルやもん、





あなた「ゲホッ、…ゲホッ、ゲホッ、」


伊東「大丈夫?またひどくなってきたな、薬飲んどき?」


あなた「はい、…ゲホッ、…」


風邪、?


撮影の合間も、辛そうやったな…


ぜんぜん笑ってなかった。

顔色も悪かったし、



そうとうしんどいんかな。







駿佑「…体調、大丈夫、?」
あなた「え、?ゲホッ、…うん、ゲホッ、ゴホッ、大丈夫、ッ、」
駿佑「そっか…」



沈黙が続き、

聞こえるのは、あなたの辛そうな咳だけ。




伊東「あなた、うしろ行こ。こっちやと狭いやろ、楽にしとき。」


あなた「はい…ゲホッ、ゲホッ、」



あなたは、

俺の斜め後ろの席に座り、

ぐったりと、窓にもたれかかった。



あなた「ゲホッ、ゲホッ、…っ、はぁ…」


あまりにも辛そうやから、

声をかけずにはいられなかった。




駿佑「あなた、大丈夫…?」


あなた「ごめ、ゲホッ、…うるさい、ゲホッ、ゴホッ、、やんな、」


駿佑「いや、ぜんぜん… しんどそうやな、ほんま。撮影中、我慢してたやろ。」


あなた「…ゲホッ、、だって、ゲホッ、私のせいで、中断とか、ゲホッ、ゴホッ、迷惑すぎやん、」


俺は静かにあなたの隣に移動し、


背中をさすった。





あなた「ゲホッ、…っ、グズッ、、なんで、ゲホッ、もう、…ゲホッ、やめよ、?優しく、ゲホッ、ゲホッ、…せんといて、…つらいねん、ゲホッ、」
つらい…?




やっぱり、俺、



駿佑「…間違ってたかな。」



あなたは、


俺をしばらく見つめたあと、






目を伏せて、


唇をぎゅっと噛んだ。




そして、

あなた「間違って、ないよ…ゲホッ、」


と言って、

涙を流し、

ぎゅっと、

目を瞑った。





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