第57話

57.
763
2022/01/07 15:35


" ちょっと遅くなる "



そう連絡が来てから、

もう1時間が経った。




1人でいるには広すぎる部屋に、

なぜか、不安になってきた。





わたしは膝を抱えて、


ベッドの隅に座った。








身体が、

重たい。




このまま寝ちゃいそう、


そう思った瞬間、


部屋のドアが開く音がして、


わたしは顔を上げた。







駿佑「ただいま。どうしたんそんな端っこで笑」



しゅんはベッドに腰掛け、


わたしの顔を覗き込んだ。






あなた「寂しかった」
駿佑「ごめんな、待たせて。俺もシャワー浴びてくるから、ちょっと待っとってな。」

小さく頷くと、

しゅんは優しくわたしの頭を撫でた。


なぜか少し、

泣きそうになった。

________________________________________________


お風呂から上がると、


あなたはまだ同じ場所に、同じ体勢でいた。





駿佑「まだそこおったん笑」
あなた「うん、」
駿佑「髪乾かすからちょっと待ってな」
あなた「うん、」


髪を乾かしてる間も、

あなたはじっと動かない。



なんか置物みたいやな、







髪を乾かし、歯も磨き、


俺はあなたの横に座った。

駿佑「お待たせ」


…寝てる、?



駿佑「あなた~、」
あなた「…ん、、」
駿佑「そんな格好で寝たら首いたなんで」
あなた「もう痛い、」



あなたは身体を立て直し、

俺にぎゅっと、抱きついた。





あなた「あったかい、」
駿佑「昨日も思ったけど、あなたなんか縮んだ、?」
あなた「しゅんがでかなっただけやろ、会うたび伸びてるもん、」
駿佑「そうかな?あなた身長どんくらいなん?」
あなた「159とかかな、流星とそこまで変わらんやろ?」
駿佑「あー、確かに、流星くんにぎゅーしたときと頭の位置そんな変わらんかも、」
あなた「…え、流星とぎゅーしてんの」
駿佑「うん…?あ、嫉妬?」
あなた「なんでよ。かわいいことするねんな、笑」
駿佑「かわいい?笑」
あなた「かわいい」



あなたは布団に入って、


ぎゅっと目を閉じた。



駿佑「眠い?」
あなた「うん、なんか疲れた、」
駿佑「お疲れ様。」
あなた「しゅんも布団はいろ?」
駿佑「うんっ」




布団に入ると、

あなたはすぐに

またぎゅっと抱きついた。



駿佑「積極的やな笑」
あなた「会いたかってんもん」
駿佑「…なんかやなことでもあった、?」
あなた「え?」
駿佑「そんな寂しがることないから、」
あなた「なんもないけど、…はよ会いたかったの、ほんまに、…寂しくて死にそうやった、」
駿佑「うさぎやん笑 俺もはよ会いたかった、打ち合わせ最後の1時間あんま頭に入ってないわ」


あなた「あかんやん」


駿佑「まあ大丈夫なはず、笑」


小さな頭をそっと撫でると、

あなたはふわっと笑った。





駿佑「かわいい笑」


赤くなった頬を手で覆うと、


あなたは顔を上げた。





駿佑「ほっぺ熱い」
あなた「誰のせいやと思ってんの、」
駿佑「だってほんまにかわいいねんもん」
あなた「…しゅんのほうがかわいいわ、」
駿佑「なんでよ笑」
あなた「わんこみたい」
駿佑「え~、、」
あなた「おやすみ、」
駿佑「唐突やな笑 明日早いん?」
あなた「そこまでかな、…明日、ほんまに一緒に帰れるん?」
駿佑「うん。一緒に帰ろな。」


指定席はほぼ満席やったし、

もし見つかっても、

隣に人おることに違和感はないはず。





あなた「ありがと、」
駿佑「一緒にいたいもん」
あなた「うん、…一緒に、いよね、出来るだけ」


あなたはそういうと、

ゆっくり目を閉じた。




明日も、

明後日も、



ずっとこうやって、


あなたが眠るのを見届けられたらいいのに。




プリ小説オーディオドラマ