あなた「…ん、、」
…あれ、?
わたし、あのあと、
どうしたんだっけ、
そんなことを思いながら、
ゆっくり目を開け、身体を起こした。
目に入ったのは、
小さな椅子に座って、
ぐっすりと眠るしゅん。
…ここ、しゅんの部屋?
わたしはベッドを降りた。
あなた「…しゅん、、」
駿佑「…、、」
コンサート終わりやもんね。
どうしよ、ここじゃ、体休まらへんし…
しゅん細いし、
持ち上げられへんかな、?
そう思って、わたしはしゅんの体に腕を伸ばした。
…なんか、ちゃう、
駿佑「…ん、、え?あなた?」
あなた「あっ、」
わたしは急いでしゅんから離れた。
あなた「ごめん、、ベッドに、運びたかってんけど、」
駿佑「えっ、ごめん、ありがとう。」
あなた「ううん、こっちこそ、ベッド奪っちゃってごめん、」
駿佑「いいよそんなん。ほら、ベッドいこ?」
あなた「わたし、部屋戻るよ。」
駿佑「でも、夜中やで?廊下真っ暗やろうし。」
それはちょっと、
怖いかも。
そんなことを思って、
下を向いていたら、
しゅんがわたしの手をぎゅっと握った。
あなた「どうしたん、?」
駿佑「ここおってほしい。」
あなた「…うん、」
ベッドにもどり、
しゅんも、布団の中に入った。
駿佑「あったかいな。」
あなた「うん、」
駿佑「あなた、」
あなた「なに、?」
駿佑「大丈夫?」
あなた「え?」
駿佑「…元気?」
恭平とのこと、
気にしてるんかな。
あなた「大丈夫。ごめんね、心配かけて。」
駿佑「ううん。…おいで?」
そう言って、
腕を広げるしゅん。
…そんなんされたら、
そっちに行きたくなっちゃう。
だめって、わかってるのにな。
わたしは、
しゅんの近くに、身体を移動させた。
するとしゅんは、
わたしをぎゅっとして、
そっと頭を撫でてくれた。
駿佑「あなたのにおいや。」
あなた「しゅんのにおい。」
駿佑「…あなた、」
あなた「ん?」
駿佑「きっと、あなたのこと大事すぎて、守りたい気持ち強すぎて、どうしたらいいかわからんくなっちゃっただけやで。…俺も、そうやったし。」
恭平のこと、?
…俺もって、どういうことやろ。
駿佑「寝よっか。」
あなた「うん、」
しゅんの言葉に、
わたしはゆっくりと目を閉じた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。