第58話

58.
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2022/01/07 15:38


東京駅は、

サラリーマンで混み合っていた。



わたしは、


しゅんの腕をぎゅっとして、

新幹線を待つ列に並んだ。




駿佑「あとちょっとで来るからな」
あなた「うん、」


しゅんは、

わたしの顔を覗き込み、

そっと頬を撫でた。





駿佑「何浮かない顔してるん?」
あなた「…まだしゅんといたかった、」
駿佑「大阪までまあまあ時間あるで笑」
あなた「そやけど、、」


我慢できなくて、

わたしはぎゅっと、しゅんに抱きついた。




駿佑「っ、// …じゃあ、あなたの家、行こうかな」
あなた「ううん、…お家、ちゃんと帰らんと、お母さん、しゅんのこと待ってるよ。」
駿佑「…そうやね、」


帰りたくないな、

1人やし。


わたしも、待っててくれる人がいたら、

もう少し、気持ちも楽なのかな。





あなた「しゅん、」



わたしは、

しゅんにぎゅっと抱きついた。




そして、マスクを下げ、精一杯背伸びをした。



駿佑「ぜんぜん届いてないで?笑」
あなた「だってしゅんでかいねんもん」
駿佑「あなたがちっちゃいねん」
あなた「だからしゅんがでk、…ん、」


しゅんは、

少し屈んで、


わたしにそっとキスをした。





あなた「…公共の場やで、」
駿佑「あなたがしようとしてたくせに笑」
あなた「…そやった、」
駿佑「かわいすぎんねん、ほんまに、」


しゅんはそう言うと、

また顔を近づけた。




あなた「もうだめ、」
駿佑「え〜、あ、新幹線来たな。」
あなた「…うん、」



新幹線に乗り込み、


座席を探す。




駿佑「ん、そこや。」
あなた「しゅんどっちがいい?」
駿佑「あなた窓側でいいよ。酔いやすいやろ?」
あなた「うん… ありがと。」


覚えてて、くれたんだ。


なんだかちょっと、嬉しくて、

頬が緩む。





座席に座るとしゅんはすぐに、

肘掛けを上げた。




あなた「はやいな笑」
駿佑「邪魔やもん、笑」



しゅんは、

わたしの方にもたれかかると、


ぎゅっと手を握った。




駿佑「…指細なった?」
あなた「え?…どやろ、」

わたしはネックレスを外し、

チェーンに通していた指輪を取った。


駿佑「え、?それって、」
あなた「去年の誕生日に貰った指輪。」
駿佑「取っておいてくれたん…?」
あなた「捨てようかと思っててんけど、…どうしても無理やって、やから、しまいこんでた。でも、この前また出したの。お仕事のときとか、つけとくとなんか安心するねん、」



…あれ、

なんか重いなわたし、




あなた「ごめん、重いな、」





ちらっとしゅんをみると、

顔を真っ赤にしていた。





駿佑「っ…// ううん、…めっちゃ嬉しい、//」
あなた「ほんま、?」


右の薬指に、

わたしは指輪をはめた。





あなた「あ、、」
駿佑「おっきい?」
あなた「うん、ちょっと。お直しだそかな…」
駿佑「え、直せるん」
あなた「直せる、はず、」


あれから、

一年か、もうすぐ、



 
駿佑「誕生日空いてる、?」
あなた「たぶん、空いてたと思う」
駿佑「一緒に過ごせへんかな、」
あなた「いいん?」
駿佑「直接お祝いしたい」
あなた「っ、// …ありがと、一緒に過ごそか。」


しゅんは、

パッと笑顔を浮かべ、


わたしにぎゅっと抱きついた。


去年はお互い仕事で、

一緒に過ごせなかった。




こんなに楽しみな誕生日は、

初めてかもしれない。







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