謙杜「なあみっちー、」
駿佑「ん?」
謙杜「あなたちゃんと、話さんでいいん」
駿佑「なに今更。長尾はちゃんとわかってるやろ、」
謙杜「…あのときは、…あなたちゃんのこと全然わかってへんくて。だから、なんか、付き合ってたんもジャニーズやから近づいたんかなとか、また近づいてきたんかなとか、勘違いしてた」
駿佑「…もう関わるんやめるから。それが、お互いのため」
少し、気まずくなって、
俺は黙って長尾の部屋を出た。
…あなた、今頃何してんねやろ。
って、
またあなたのこと。
なんかもやもやする…
外の空気でも吸いに行こかな。
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伊東「お疲れ様。」
あなた「お疲れ様でした。」
ホテルの近くで車を降り、
わたしはコンビニに立ち寄った。
夜ご飯、
どうしようかな。
サラダを取ろうとしたけど、
そんな気分になれなくて。
アイス食べたいな、なんて思って、
わたしはアイスコーナーを覗き込んだ。
『いたっ、、』
誰かと、頭がぶつかった。
あなた「すみませ、…え、しゅん、?」
駿佑「あ、…あなた。ごめん、痛かったやんな、」
あなた「大丈夫。仕事終わり、?」
駿佑「ううん、ちょっと外の空気吸いにきた。」
あなた「そっか、」
駿佑「…あ、あのさ、」
あなた「ん?」
駿佑「…ちょっと、どっか行かへん、?」
なにそれ、
なんで急に。
そう思ったけど、
なぜかわたしは頷いて、
しゅんと一緒に、外に出ていた。
なんかデジャヴやな。
ホテルのときもそうやった。
期待しても、無駄なのに。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。