あれから少し、
撮影は終わり、
あなたとはぜんぜん会わなくなった。
流星「あ、みっちーおはよう」
駿佑「あ、おはようございますっ、」
流星「…最近、どうなん?」
駿佑「会うこともないですし、おれは、もう…」
流星「そっか、最近あなた忙しいんかな、あんま見ぃひんよな」
たしかに、
流星「大丈夫?」
駿佑「え?」
流星「元気ないよ?」
駿佑「…大丈夫です、」
やっぱりあなたがおらんと、
心に穴が空いたみたいで、
後悔ばっかりや。
流星「あっ…」
駿佑「、?」
流星くんの目線の先にいたのは、あなただった。
目が合い、
あなたは少し、
寂しそうな顔をした。
流星「おはようっ。久しぶりやね。」
あなた「久しぶり。」
流星「最近忙しいん?」
あなた「ちょっとね、でも、ひと段落かな。」
流星「そっか。お疲れ様やね。」
あなた、疲れてるんかな、
顔色良くない。
駿佑「大丈夫?」
あなた「え、?」
駿佑「顔色悪い、」
あなた「…寝不足かな、笑」
あなたはそう言って、
教室に入っていった。
流星「…ほんまにもういいって思ってるん?」
駿佑「思えたら、いいんですけどね、」
流星「あなたには話せた?いろいろ。」
駿佑「俺、ほんまだめなんですよ。…なんか怖くて、なんも言えへんくて。どうしたらいいかわからんくて、でもあなたは、そんな俺のこと、すごい気にかけてくれて。…もう、いっそ冷たくして欲しいくらい、どんどん好きになるんです、」
流星「…そっか、、」
何、話してるんやろ、
しかも、先輩に。
なんて思ってたら、
チャイムがなった。
流星「またね。…辛くなったらいつでも話聞くから。」
駿佑「っ… なんでそんなに、」
流星「…責任感?笑」
駿佑「え、?」
流星「みっちーにあなたのこと紹介したのは俺やから。」
あなたの事聞いたのは、
俺からやのに。
駿佑「ごめんなさい…」
流星「なんでよ笑 はよ教室行き?」
駿佑「はい…」
自分のことが、
よくわからない。
なんであの時、
もう関わらないって決めたのに、
あなた連れ出して、流れでキスなんかしたんやろ。
なんであの時、
部屋で一緒に過ごしちゃったんやろ。
なんで、
なんで出会っちゃったんやろ…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。